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自動取引増殖

さて、年明け早々に1ドル104円台まで瞬間急騰した円相場も週明け本日は1ドル108円台後半への円安ドル高が好感され日経平均は節目の20,500円を超えてきた。ところでこの為替といえば先週の日経紙総合面には「虚、突かれた個人投資家A・I」と題し、新年早々の外為市場でわずか1分の間に1米ドルに対して4円も急騰した背景には円安に安住した個人投資家が狙われ、それを見たAIのロスカットが拍車をかけたとの旨が書かれていた。

こうした相場の珍事?の素地としては一定のレンジが続くと見た向きがそれに即したストラテジーを組んでいるパターンが多く、酷かった例では東日本大震災時の225オプションのプレミアム狙いのセルボラ等が思い出されるが、今回の件も昨年10月から年末までの円相場が110〜114円と狭いレンジで動き金利狙いのホルダーが多かった事が円高に拍車をかけた格好になった。

また冒頭の通り近年は自動取引の存在感が高まり、為替に限らず株価変動も日米共に昨年12月は2008年のリーマン・ショック直前を上回るほどになっており世界規模で激しさを増している。自動取引の功罪については当欄でも何度も触れているが、リスク・パリティ型やテキストマイニングなどAIを活用するモノも増殖する日進月歩でこうした構造変化の是非論もまた議論対象になりそうである。


経営者が占う2019

さて年初といえば恒例の日経紙「経営者が占う」シリーズで、また当欄で振り返ってみよう。日経平均の高値予想は平均で25,440円と1991年6月以来、約27年ぶりの水準まで上昇するという予想だったが、27年ぶりの高値水準はドンピシャだったものの17人が25,000円以上とした割にその値段はあと1,000円ほど及ばずとなった。

一昨年は11月に25年10か月ぶりの高値示現となり、万年強気の年末高予想とほぼ願望で固める証券業界の暗黙のルールで予想を立てた大手証券トップの判で押した年末高予想が結果的に当たってしまったがこれが昨年は年末に年初来安値更新となると、高値時期の予想を12月でその値はなんと27,000円と大風呂敷を広げた大和証券社長の予想など目も当てられない結果となった。

こういった結果となると個別の有望銘柄も4連連続トップのトヨタ自動車はじめ2位の信越化学など共にボロボロのパフォーマンスとなってしまったが、逆に日本電産会長兼社長の永守氏の実際の年初来高値とわずか約150円違いだった24,300円という高値予想に、11〜12月との安値時期予想の素晴らしさが際立って目立つ。

というワケで今年の日経平均の高値予想は平均で23,925円、その時期はまた性懲りもなく12月に26,000円という高値予想を出している大和証券社長などはさて置き、総じて5〜6月との見方が多い。個別銘柄はもう定番化しているトヨタ自動車がこれで5年連続で1位、信越化学も定位置の2位となっていたが、はたして年末にはどのような展開になっているのか記録づくめだった昨年同様に「亥固める」の相場に注目したい。


平成最後の福袋

さて昨日はマグロの初セリに触れたが、同じく初といえば百貨店や家電業界の初売りの方はボーナス増や10月の消費税増税など背景に大型改装効果とも相俟って、各社ともに好調であった前年並みかそれ以上の売上高となった企業が多かった模様だ。

今年は平成最後の福袋となるということで、新聞の折り込みで入っていた銀座松屋の広告では「アッシー・メッシー・みつぐ君 福袋」と題したダイヤの指輪とリムジン、ディナー等がセットになったモノから、LEONの元編集長が約200万で全身コーディネートしてくれるモノなど、バブル世代やコト消費を意識した内容のものが目に付いた。

コト消費といえば他にも高島屋のホンダジェットでアメリカ4都市を巡る旅や、ホッケー日本女子代表チーム選手による指導教室、三越伊勢丹HDも元ラグビー日本代表らとの真剣勝負を売り出すなど工夫が目立つ。

しかし福袋といえばそれこそ昔は中身に何が入っているのかわからないモノが多くまたそれが楽しみの一つでもあったが、近年は中身のわからない商品を値段だけで訴えるお得感では簡単に消費を喚起出来なくなりオープンにする向きも増えてきた感がある。今回の平成最後もそうだがテーマというか内容、お得感を明確にする戦略で今後も各社は鎬を削る事となろうか。


史上最高値のクロマグロ

さて、先週末には昨年10月の築地市場からの移転後初となる新年のマグロの初セリが行われた。毎年恒例で果たしてというかもうお約束のようにすしざんまいを展開する「喜代村」が落札したのだが、驚くのはその値段でこれまでの最高値を塗り替える3億3,360万円で競り落とされた。

ちなみに記録が残る1999年以降、これまで最も高値だったのは2013年の1億5,540万円という自身の記録であったが、今回はこれを2倍以上更新するご祝儀価格となった。競り合ったのは昨年共に狙うモノが割れ市場2番目の大物を競り落とした「やま幸」であったが、今年は喜代村が再度返り咲いた?格好となった。

しかしキロ当たり120万円という事ですしに換算すると一貫平均では2万4千円程度になる計算となるが、PR効果を狙うすしざんまいではこの競った向きと違いいつも通り通常の価格で振る舞われた。一方で気になるこの3億超の行方で、漁連や漁協その他への約1割を控除し税控除を勘案すれば約5割が漁師にわたる筈だが何れにせよ夢のある新年行事であった。


亥固まる

皆様、新年おめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

さて、昨年の大発会を振り返ってみると「戌」の格言を裏付けるように急反発スタートで大発会としては96年以来の上げ幅で幕を開けたが、一転して今年の大発会は米アップルショックから一時700円以上も急落し大発会としての下げ幅は3年ぶりの大きさとなる全面安の展開となる新年の市場は波乱含みの幕開けを演じることとなった。

ちなみに毎度のことながら兜町界隈の相場格言では今年の干支「亥」は値固めで小幅な値動きにとどまる「固まる」とされている。日経平均の算出以来過去5回の騰落率を見ると4勝1敗で勝率は80%、干支別では申・酉に次ぐ勝率となっており昨年の戌年より期待が持てるデータとはなっている。

一昨年は記録尽くしの一年と当欄で年初に書いた覚えがあるが、昨年は更にそれを上回る記録尽くしの一年であった。振り返ると2月にVIXショックで相場が急落し、10月には約27年振りの高値を付けた後にクリスマスには再度急落、12月は1ヵ月の下落幅としては2008年10月以来、およそ10年ぶりの大きさになり結果として18年は2度の1,000円超の急落を演じこの大きさの複数回下落は90年以来、28年ぶりの事である。

ここまで高値から急落した背景には海外投資による巨額の日本株売り越しも効いており、現物株の5.6兆円の売り越しは87年以来、31年ぶりの大きさであった。年末にも書いた通り今年は元号が新元号に改元、また消費税も10%へ引き上がり、世界情勢も英のEU完全離脱や米中・米朝関係等々さらなる変化が待っているが、はたして過去のアノマリーが活きるのか否かいつになく注目の年になりそうだ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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