都市鉱山開花

さて、先週末の日経紙夕刊には「携帯からメダル 5000個分達成へ」と題し、不要になった携帯電話や小型家電の素材から2020年東京五輪・パラリンピックのメダルを作るという「みんなのメダルプロジェクト」が概ね目標分が集まるメドが立った事から3月末で終了する旨が載っていた。

当欄で前回これについて取り上げたのは昨年の夏であったが、その際には末尾で金と銅メダルに必要な量はメドがついたものの銀の確保が出来ていない状況で今後の進捗状況が注目されると書いていたが、郵便局、デパート、大学等に回収ボックスを設置し全国のホストタウンの自治体にも協力を求めた働き掛けが実った格好か。

これまで環境を軸に五輪のテーマも構築しているだけにこのメダルプロジェクトのメドが立って先ずは一安心といったところだが、既に試作品も無事作成済みの通り日本の先端技術を世界にお披露目する絶好の機会でもあり、また今年の夏にもメダルのデザインが公表される予定だが自身が提供した都市鉱山の一部が表彰台の選手の胸に輝く様を見る夢が叶う事になるか。


尻尾の振れ

本日のETF市場で一際目立っていたのは全市場値下がりランキング第2位となっていたETFSパラジウムの急反落だったが、【GOLD NEWS】の見出しにもある通りパラジウムが自動車販売台数の減少など現物の需要動向やリースレートの低下など地金不足の一服で今後の上値を抑える要因となりそうな旨が昨日の日経紙商品面にて載っている。

足元でパラジウムが日米で史上最高値を更新していた事からPGM系ではプラチナもニューヨーク先物が1週間で4%上昇、連れて世界のETF残高も価値の裏付けとして保有する現物が直近の合計で約73トンとこの一週間だけで4トン増加し年初からの増加率は16%に達している。

パラジウムといえば思い出すのが事実上の強制解け合いにまでなったあのスクイズ事件?が記憶に残るが、当時の高値を超えることはもうないだろうとの業界関係者のコンセンサスは時を経てあっさりと覆った。とはいえ宝飾業界などはプラチナとは逆鞘現象にはなっておらず専ら先物の振れが先行し話題を振り撒いている格好か。


Ivory Market

さて、今週末に映画が全国公開となることで今TVではディズニー「ダンボ」の予告編をよく目にするが、象といえば先週の日経紙夕刊には「象牙の年代証明義務化」と題し、環境省が個人や法人に対し象牙が捕獲された時期を科学的に証明する資料の添付を義務付けるなど国内での象牙取引を厳格化する旨が書かれていた。

他の映画でも例えば16年の「ターザン:REBORN」などでも途中で大量の象牙が運ばれるシーンが鮮明に思い出されるが、鮪から鯨や鰻まで近年ではその捕獲に関して世界中から厳しく糾弾されておりこの象牙取引もまた海外から批判の対象となっている事で環境省も腰を上げた格好だ。

未加工象牙の輸入実績から推測するに現状日本は多くの象牙を在庫しており公表されている取引市場は20億円とされているが、倫理より欲望が勝る一部の富裕層の為のマーケット形成は廃れる事が無いため実態はこれの倍をはるかに超えているのは想像に難くなく、今後世論と併せ何所まで抑止力を発揮出来るのかこの辺が焦点になってくるだろうか。


資本論理と業界秩序

さて、先週の祝日の日経紙投資情報面では「旧村上F系がTOB」と題して、現在投資ファンドと組んでMBOを目指している東証一部上場の廣済堂があの村上世彰氏が関わる不動産会社と投資ファンドが同社に対しTOBを開始する報告を受けたと発表した旨が出ていた。

廣済堂といえば先に発表したMBOについて、米ベインキャピタルと経営陣が実施するTOBの買い付け価格の引き上げを先に発表したばかりだがこれに対抗した格好か。ところでTOBといえば注目を浴びていた伊藤忠商事によるデサントへの敵対的TOBが先に成立の運びとなり、本日はデサント側が伊藤忠側に大幅譲歩する経営陣大幅刷新内容の発表があった。

先月に当欄でもこれを取り上げた時に王子HDの時を彷彿させる敵対型の再来となっており紙戦争の時の三菱商事のようなホワイトナイトが現れるのかどうかと書いたが、資本論理より業界秩序の維持が優先されたかっこうになったこの時の事例を塗り替えるべく大手企業同士で初の成立案件となった。

13年ぶりに動き出したこのケースだが敵対的という言葉だけが独り歩きするという環境も変って来た昨今、一部株主の排除や利益が損なわれる懸念などの課題を踏まえつつ日本ではレアケースとされる敵対的TOBが今後企業価値の向上に繋がってゆくのかどうかこれらの事例と併せ注目して行きたい。


春のIPOラッシュ

さて、昨日IPOの共栄セキュリティーサービスに続いて本日も建設業特化人材派遣のコプロHDに、「みんなの株式」を運営するミンカブ・ジ・インフォノイドなど立て続けの新規上場があった。注目の初値はコプロHDが公開価格を14.6%上回る2,395円で初値形成、ミンカブの方は公開価格を33.3%上回る1,400円で初値形成と好スタートとなった。

また明日は明日でIT人材仲介ベンチャーのギークスが新規上場の予定となっているが、先月の2019年第一号のIPOとなる識学が初日には値付かずで上場2日目にして公開価格の実に2.5倍の初値形成となった事が今月のIPOの好地合いに繋がっており、明日のギークスにもロケットスタートの期待がかかっている。

それは兎も角も今年1〜3月のIPOは前年同期の16社を上回る20社強と一寸したIPOラッシュとなりそうだが、昨年末にマザーズへの上場申請関連書類で内部統制の運用状況詳細を記載する旨の改正が今年7月から適用となるなど一段の審査強化の影響が後半戦にどう出るのかという一抹の不安要素もある。

IPOのハードルが高くなればベンチャーキャピタルの投資回収などにも何れ影響が出て来ようが、来月の働き方改革関連法の一部施行のタイミングで上記のような人材系スタートアップが出て来ており、成長期待の高い予備軍も控えるなど展望は期待のできるものであり新年度以降も引き続き注目されるところ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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