インスパイアか模倣か
さて今週は所用で郵船ビルの前を通った際にイッセイミヤケの店舗があったが、そういえば先週末から一部で報道されていたバオバオのバッグデザインが別のバッグブランド・ハナアフのバッグデザインと酷似しているとし不正競争防止法違反等を理由にイッセイミヤケ側が製造・販売・輸入の差し止めを求める仮処分を東京地方裁判所に申請した件を思い出した。
イッセイミヤケといえば過去にも縦横無尽にプリーツを操った独特なデザインを他のアパレル企業にパクられたとして差し止め請求をして勝訴した経緯があったが、今回も東京地裁はハナアフ側に損害賠償支払いを命じるなどイッセイミヤケ側が勝訴したとの発表が昨日になされている。
イッセイミヤケ側はインスピレーションとしての一線を越えて看過出来るものではないとの言い分だが、ファッション業界においてこの手の酷似性については別に今に始まった事ではなく、例を挙げればクリスチャンルブタンとイヴサンローランの靴を巡る裁判から、近年では複数のファストファッションブランドによる有名ハイブランドのパクリも半ば恒常化しこちらも一部裁判で敗訴している。
酷似といえばファッションではないが、東京オリンピックエンブレムもベルギーの劇場ロゴのパクリだとして大問題になった挙げ句に白紙撤回となり、他のモノまで続々とネット民に炙り出された経緯も記憶に新しいところ。上記も含め模倣か否か真相は当人のみぞ知るといったところで、こうしたクリエイティブな業界はトレンド市場形成の重要性もあり立証困難なケースもあるが必要悪?な自由の線引きは何所までなのか今後も出てくるであろう判例も興味深く注目したい。