再配分考
本日の日経紙経済面には「自治体二重取りに賛否」と題し、ふるさと納税によって大幅増収となった人気の自治体にも寄附金が税収とされないために国が地方交付税交付金を手厚く配っており、同紙がこれを税収とみなし交付税がどれほど減るか試算したところ2018年度はその額が2300億円超に達した旨が出ていた。
この「二重取り」に関してはかねてより一部の識者からその構図のおかしさが指摘されていたものだが、寄付側もわずか2千円で年間の食材が賄えたり数百万円もするロマコンが貰えたりするワケだから「得する寄付」が定着し、企業誘致等より手っ取り早い財源確保策として競争が熾烈化したのは自然な流れだろう。
そんな事から寄付側も累進制にすべきとの意見も出てきそうだが、過熱した同制度の裏で当初はニッチだった仲介ビジネスも増殖しこちらへのコミッションの原資は国からの補填と歳出面の構図のおかしさも指摘される。今月からの新制度の次は再配分の歪さをふまえ財政問題と向き合うのが先ず課題となろうか。