余りモノに値なし
さて、本日の日経平均は日銀の追加金融緩和策や新型コロナウイルスを巡る外部環境の悪化に一先ず歯止めがかかっている事を支えに急反発となったが、この地合いで全般がカバーで戻りを入れるなか目立っていたのがベア型を除く原油系ETFの弱さでシンプレクスのWTI価格連動型にETFSECのWTI原油や野村のTOCOM原油ダブルブル等々何れも本日は年初来安値に沈んでいた。
このうち野村のTOCOM原油ダブルブルなどは逆に動いた分だけその特性が災いし価格は実に年初来高値から11分の一まで暴落の憂き目に遭っているが、先週末の日経紙マーケット面で「原油ETFに個人群がる」と題して文中に挙がっていた野村の原油インデックス連動型ETFも年初来高値から約7分の一近くまで急落し引けは年初来安値まで一文と迫っている。
同ETFに関してはその値頃感や腐っても多用途の原油?なだけに先行きの反発期待の買いも舞い込み売買高ランキングが東京市場全体でトップに躍り出る場面が先週あったようだが、ロールオーバーするも鞘自体が大幅なコンタンゴなうえ貸借倍率も80倍近くは手垢が付き過ぎている感は否めない。
NYMEXのWTIは「余りモノに値なし」の典型で期近が前代未聞のマイナス圏に沈んだワケだったが、そうなると連想ゲームで貯蔵先保有思惑から先週揃ってストップ高となったのは明治海運や共栄タンカーなどで、特に共栄タンカーなど23日まで3日連続のストップ高と破竹の勢いを演じた。とはいえダブついた原油の為の貸し出し余地が彼らにあるとは考え辛く今後はカラ売りをどの程度誘えるかETF共々投機の土俵に場所が移る事になるか。