潮流察知
本日の日経紙マーケット面・市場点描には「銅と金、正常化足踏み移す?」と題し、銅価格を金価格で割った銅金レシオが11月から上昇が加速し昨年6月以来の水準を回復したあと伸び悩み商状となっているなど景況感の改善を示唆する指標の動向に市場の関心が集まっている旨が出ていた。
銅といえば新型コロナウイルスの感染拡大をいち早く収束させた中国の堅調な需要などを背景として足元では国際指標であるLME3ヵ月先物は7年10ヵ月ぶりの高値を付けているが、こうした需給に目を付けたファンド勢の投機資金の流入もあってコロナ第一波の頃の3月の安値からその上昇率は実に8割にも達している。
ところで先月末に茨城の下妻市で砂沼サンビーチに埋没してある高圧ケーブル約1000メートル分が盗難被害に遭ったという事件が報じられていたが、この手は銅線の転売狙いで間違いの無いところだろう。これまでも非鉄相場が温まって来るとそれとリンクしてこの手の盗難事件が報じられる事が増える傾向にあったが、斯様に潮流を察知するのは何もファンド勢に限った事ではないという事の証左か。