既視感
本日の日経紙一面には政府の骨太の方針が出ていたが併せて首相が掲げる「新しい資本主義」の実行計画も閣議決定されている。人への投資の強化や、有力新興企業を今後5年で10倍に、また2000兆円にのぼる個人の金融資産を投資に向けるためNISA(少額投資非課税制度)の改革を含む「資産所得倍増プラン」を年末までに作成する方針。
なんとも投資家好みの威勢の良いフレーズが並ぶが、例えば英のISAをモデルに創設されたNISAの改革など現行の非課税枠から一体如何ほどの拡充になるのだろうか?先の東証の市場再編でも上位ポストの時価総額基準額等が期待されていたものからは程遠いものとなり、機関投資家等の失望を買ったものだったがこれの二の舞にならぬか一抹の不安がある。
この新しい資本主義といえば岸田首相が先に訪問した英国の金融街シティーの講演で、平成25年に当時の安倍首相がNY証取で「バイ・マイ・アベノミクス」と訴えたのに倣ってなのか「インベスト・イン・キシダ」と述べこれを説明していたのを思い出す。本邦の特徴として上記の制度含め海外事例に範を仰ぎアレンジする傾向があるものの、得てして見劣り感著しい傾向にあるだけに世界標準との差を埋めるには更に思い切った設計が求められようか。