利上げドミノ
周知の通り米FRBは歴史的な物価高を抑える為に先週のFOMCで通常の3倍となる0.75%の利上げを決めた。その上げ幅は1994年11月以来、27年7か月ぶりの大きさとなったが、更にこの翌日にはスイス国立銀行が予想外ともいえる約15年ぶりの利上げに踏み切ったほか、イングランド銀行も5会合連続の利上げを決め、政策金利は約13年ぶりの高水準となった。
これを受け急激な金融引き締めによる景気後退への懸念が広がり、DOWは去年1月以来、約1年5か月ぶりに3万ドルの大台を割り込むなど各マーケットではマネー収縮の動きが見られた。一方で日銀は先週末の金融政策決定会合で現行の大規模な金融緩和策を維持する旨を決定、上記のように欧米の中銀が挙って利上げに動くなか日銀の独自路線が鮮明になっている。
一部世論や市場にも責められながらの継続選択となったが、景気を取るのか円安やインフレ対策を取るのか何ともジレンマな構図だ。確かに現状は受給ギャップが解消し賃金上昇という確かな証拠が掴めるまで継続止む無しといったところなのだろうが、足元で日銀の物価目標を上回っているなかでの緩和継続の諸々の副作用等に対しては政府と協調したそれなりの対策等も今後は求められようか。