クラファン史上最高額

さて、8月に一度触れた国立科学博物館が総額1億円を掲げ募っていたクラウドファンディングだが先の日曜日にこれが終了した。初日から目標額の1億円を突破したのが当初話題になっていたが、その後も寄付は途絶えることなく果たして約57000人から国内史上最高額となる約9億2千万円が集まることとなった。

それにしても凄い額が集まったものだが、これまでのクラファンではコロナ禍の20年に行われた新型コロナウイルスの感染防止活動の基金を募るプロジェクトが集めた約8億7千万の最高額でこれを抜いた格好になる。行動経済学における寄付の主要動機が科博には全て網羅されていたという説もあるが、やはり馴染みのある科博の現状に改めて危機感が共有された部分が大きいか。

前回は当欄で末尾に「~博物館といえば欧米の場合は財団等の支援で成り立っている部分も大きく文化に対する国の姿勢の違いを感じる~」と書いたが、一昨年だったか米のスミソニアン博物館にアマゾン創業者が約2億ドルを寄付したのは記憶に新しく、双璧のロンドンの大英博物館など入場料は無料だが昨年の寄付額は2700万ポンド超え、共に収入に占める公費割合は日本と大きく異なる。

冒頭の通り今回6万人近くから寄付を集めた科博は今回潜在的な支援者を掘り起こした格好になったが、今後は会費制の賛助会員を増やす方針という。ただ今回の成功例で問題が全て解決したというワケにはならず上記の欧米の例も改めて鑑み持続可能な運営の仕組みをどう作ってゆくかが今後も問われることになろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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