エンゲージメント効果
本日の日経紙グローバル市場面では「投資家と対話 時価総額6%増」と題し、約224兆円と巨額の資金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が運用委託先の資産運用会社と国内企業のエンゲージメントの効果を検証、取締役会構成などの改善を促すと時価総額が大きくなったりPBRの改善が見られるなど一定の効果が確認された旨の記事があった。
GPIFといえば先月あたりはその運用資産の構成比率から日本株のウエイトを引き上げるのではないかとの思惑が出たが、なにせ上記の通りの運用額なので仮に仮に+5%の引上げでも約11兆円の買い需要が生じる。確かに定量的な数字は難しいだろうが、数千円程度の上昇寄与のインパクトはないわけでもない。
まあその辺はともかくも、今後は東証の動きに合わせた物言う投資家の動きも活発化と共に機関投資家のプレッシャーも強まって来るか。近年は代表取締役選任が厳格化してきており例えばニッセイアセットマネジメントは2025年6月からPBR1倍未満で東証の「資本コストや株価を意識した経営の実現」への対応が無い場合は、代表取締役の選任反対という基準が出てきている。
また三菱UFJアセットマネジメントでも、TOPIX500対象で2027年4月1日以降、株主総会で、過去3年連続のROEが8%を下回りかつPBR1倍を下回る場合は代表取締役の再任に反対する旨を公表している。いよいよ株価を意識しないと社長のポジションも安泰ではいられない時代になってきている。