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ビットコインとETF

昨日の日経紙一面には「DMMビットコイン廃業」と題し、DMM.comグループで暗号資産(仮想通貨)交換業中堅のDMMビットコインが廃業する方針を高めた旨の記事があった。同社といえば5月末に482億円相当のビットコイン不正流出が当時話題になったものだが、今後顧客口座や預かり資産はSBIグループのSBIVCトレードに移管される予定だ。

ところでビットコインといえば、トランプトレードの波に乗り今や節目の大台10万ドルを指呼の間に捉えているが、ETFも米に上場する12本のビットコインETFの純資産総額合計は1000億ドル(約15兆円)にも達し、これを保有する国家はじめ銀行や年金基金からヘッジファンドまで機関投資家の裾野もまた大きな広がりを見せている。

このETFを巡っては1月に米が承認の先鞭をつけて以降、アジア圏では4月に香港が、そして6月にはオーストラリアが承認に踏み切っている。当欄では5月に「ビットコインETFの国内承認は叶わないのだろうか?」と書いていたが、日本では今だそういった機運も高まっておらずETF承認云々の議論さえ始まっていないのが現状だ。

冒頭のような交換所の不正流出が度々世間を騒がせてきたイメージに加え、そもそも暗号資産自体が投資信託の運用対象である特定資産に入っておらずそれら以外で税制面でもまたETFと現物取引での税率の違いなど課題は山積みとなっている。とはいえ既にこれだけ広く浸透している様を見るに、完全に日本が周回遅れなのは否めないだけにガラガラポンでリセットするには今が好機とも思えるが重い腰が上がるのを期待したい。


インバウン丼も新高値へ?

いよいよ師走入りだが、月初め恒例の今月の値上げ動向は帝国データバンクによる主な食品メーカー195社における飲食品値上げはコメ高騰の影響を受けたパックご飯など加工食品の91品目はじめ109品目となる。2024年通年では駅1万2520品目の値上げとなり、昨年の3万台から61%減と過去3年間で最も少ない水準となる模様だ。

ところで食品値上げといえば例年今頃が旬の所謂“冬の食材”も高さが目立つ。先ずここから多用されるであろうイクラだが、豊洲市場の北海道産イクラ卸値は不漁の影響で先月中旬時点では1キロ当たり前年同期比8割も高くバブル景気の頃の水準になっている。ホタテも海水温が高かった影響で振るわず東京都中央卸売市場ではむきホタテの平均価格が前年比1.5倍と上げが加速、ここ10年でも2.64倍の上昇上だ。

海産物ではタコも主要産地の明石市では漁獲量がここ約10年で約5分の1までに激減するなどなかなか深刻な状況だ。それに伴い東京都区部の今年10月のタコの小売価格は100グラム当たり513円、ちなみにマグロは同492円であるからタコがマグロより上鞘になったことになる。2000年には両者の価格差は2倍ほどあったワケだからまるでかつての「プラチナ」と「金」の価格逆転劇を見ているようだ。

イクラやホタテも上記のような状況から今年の「新語・流行語大賞」にもノミネートされた「インバウン丼」も日本人が呆れる値段に更なる拍車がかかりそうだが、これとは対極のタコ焼きを過日近所で買ったところ中身は既にイカになった「イカ焼き」になっていた。国際的に食習慣など時代の流れと共に変貌を遂げているなか、日本は円安の影響もあって各所で馴染みの食材も“買い負け”が目立つ場面が多くなって来たとつくづく。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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