タリフマン砲

本日の日経平均は一転して急反発、トランプ米大統領がカナダとメキシコからの輸入品に対する関税強化策適用を1か月延期すると発表した事を好感してのものだったが、昨日はこの政策発動で世界経済の先行きに対する懸念からザラバで下げ幅が1100円を超える場面があり引けも1052円安と急反落の週明けとなった。日経平均に限らずアジア圏では春節で中国が休場となるなか韓国KOSPIや台湾加権指数なども同様に下落の憂き目に遭っていた。

為替市場も前週まで比較的底堅く推移していたカナダドルやメキシコペソが対米ドルで急落、今後は欧州も対象となり得るとしていたことでユーロまで下落が波及した。東証の個別では関税の影響が大きいとされる特に自動車セクターが直撃され、メキシコに生産工場のあるホンダやマツダが揃って7%を超える急落を演じ、もう一つのトヨタ自動車も5%安となり部品関連でもデンソーが8%を超える急落となっていた。

この政策で関連する国全体のGDPの目減りは年90兆円規模にのぼるといい、米の全輸入額トップのメキシコの実質GDPは関税実施の場合、2032年までに従来の想定から2%押し下げ要因になるとの試算がある一方で、JETROのアジア経済研究所では日本は対象国から米国への輸出が落ち込むなか、これらの国に代って日本から米への自動車関連の輸出が伸び2027年にはGDPが0.2%押し上げられると試算している。いずれにせよ楽観に傾きかけていた局面でもいつ冷や水を浴びせられるかわからなくなってきた事で暫くは身構える動きとなろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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