異形のポイズンピル

昨日は親子上場解消を巡ってその対象銘柄がTOB価格にサヤ寄せする動きで盛り上がっている旨を書いたが、TOBといえばもう一つ昨年から「牧野フライス」に対し“同意なき買収”で両者が火花を散らしてきたニデックが、牧野フライス側による買収対抗策が壁となり高裁への即時抗告やTOB期間延長もしないまま早々に先日この同意なきTOBを撤回している。

そういったことで先週は株価の方も明暗がハッキリと分かれ、NTTデータや三菱食品がストップ高まじえて急騰するのとは対照的に日を同じくして牧野フライスの方は買収プレミアムが一気に剥げた形となり前日比で2000円以上も暴落する憂き目に遭った。終わってみればこの“同意なき買収”は牧野フライスのホルダーに恰好の売場を提供しただけという顛末となり、同意なき買収の成功体験を持つニデックにしてみれば想定外の結果だったに違いない。

ところでこの買収劇、投資ファンド含むホワイトナイトが出現するとも一時報じられていたが、今後は牧野フライス側の身の振り方?にも関心が向かうこととなるか。今回の顛末を踏まえてファンド側の行動に変化が出てくるのかどうかその辺も気になるが、先の暴落でPBRは再度の1倍割れ、仮に単独路線を取ることになるにしろより資本市場との向き合い方が重要になってきている昨今、経営陣も株主に対して緊張感を持った企業価値向上の責務が問われる。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2025

5

1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31