最近の金
さて、昨日は「銀」を取り上げたが本日は「金」である。今週アマタまで日本橋高島屋で開催されていた「大黄金展」で先週に販売価格約1040万円の純金製茶碗が盗まれた事件が話題になっていたが、高島屋といえば昨年のクリスマスにはネット販売したケーキが800個以上も崩壊し大騒ぎになったものの原因が謎のままだったり、京都店の限定商品が1人に全て買い占められたり、羽生結弦展で販売された限定グッズがネットで40倍以上の高値で転売されたりと何かと話題を提供する百貨店だなと。
その辺は兎も角もこの「大黄金展」では確か昨年も窃盗被害が報じられていた記憶があるが、近年の市況高も喧伝されており自ずとその注目度も高くなるというものだ。当の金価格は直近でも国際指標となるNY先物価格やロンドン現物価格が初めて1トロイオンス2400ドルの節目を突破しており、国内価格も指標の田中貴金属工業の販売価格は今週に入って1g13000円の大台を超え史上最高値を更新してきている。
ところで冒頭の盗まれた黄金茶碗は江東区の買い取り店にてたったの180万円で売却したと供述しているというが、盗まれた約1040万円の24金製の黄金茶碗は380gのシロモノ。18金製でもなく単純計算でもモノの価値としては当日相場で490万円以上ある。という事は金工作家等のプレミアムが倍以上も乗っている計算になるが、それを実勢の約4割弱で買い叩いたこの店もさぞやニンマリだっただろう。しかしそれを売る方も売る方で単にリテラシーが無かったのか?はたまたワケありの両者合意だったのかこの辺は当事者にしか分からないか。
しかし金価格も一寸遡ってコロナ禍前からでも当時の1g5000円台からはや2倍以上の化け具合だ。そういえば思い出すのがまだ1g1000円台だったバブル期の金装飾品を数年前にGINZA TANAKAへ売りに行った際に、当日のたいへんな混み具合を嫌気し売却を諦めた事か。そのまま金製品は再び家で眠ることになったが、今ではその時に手放さずに良かったとつくづく。昨今の斯様なゴールドラッシュでは家庭内で眠る金製品がいつの間にかそこそこの資産価値を持っている可能性もあるだけに、思い当たる向きは探してみてはどうだろう。