初の20000円大台

さて今月に入ってすぐの当欄では「初の18,000円台」と題し、金の国内小売価格が初めて1g18,000円を超えてきた旨を書いていたが、月が変わらぬうちにこの金の小売価格が昨日初めて1g20,000円の大台を超えてきた。なんとも上げのピッチが加速してきた気がするが、もう少し長いスパンで見ても金価格が初めてg10,000円の大台を超えたのが2023年、それからほぼ2年で価格が2倍になったわけである。

斯様な状況であるからNISAの成長投資枠でも使えるETF等も然るべしで、本日の三菱UFJの現物国内保管型の純金上場信託は19,000円の大台に乗せて高値引けし年初来高値を更新、老舗?のSPDRゴールド・シェアも年初来高値を更新し、iシェアーズゴールドETFや野村の金価格連動型上場投信、同じく野村の金先物ダブル・ブルETNなど揃ってどれも商いを伴って年初来高値を更新してきている。

思えばウクライナ侵攻が始まった頃に当欄では「金の過去最高値をチャンスとばかりに手持ちの金製品を買い取りショップで換金して帰る顧客の満面の笑顔と、戦闘の極限状態にある現地の恐怖に歪む人々の生々しい顔の対比が実に残酷に映る」と書いたものだったが、そうした地政学リスクも恒常的なものとなり、最近では値上がりにつれて当時と比較し新規購入の向きも大きく伸びているという。

気付けば世界の外貨準備に占める米ドルの比率も99年には7割を超えていたものだが、米ドルに対する信認低下も相俟って昨年はこれが6割を切る水準になっている。いまだトランプ政権とFRBのゴタゴタが続いているが、そういった事も背景に各国中央銀行は粛々と金を積み増しておりこうした“浮動玉”の吸い上げが近年のトレンドに寄与している面も否めないか。


関連記事

この記事のハッシュタグに関連する記事が見つかりませんでした。

最新記事

カテゴリー

アーカイブ