25ページ目   商品先物

限日好調

昨日の日経平均は続伸し8月末以来の19,000円の大台を一時回復し約2ヶ月ぶりの高値をつけたが、2ヶ月ぶりの高値といえば金相場もまたこの日は東京商品取引所で2ヶ月ぶりの高値水準となっていた。ドル建て金がこのところ底堅い推移となっていたこともあるが、やはり円安効果が大きいか。

さて、金といえば5月に上場した金の限日取引「東京ゴールドスポット100」は、この日建玉が初めて7万枚を超え、プラチナを上回りオプションを除く上場17品目のなかで金に次ぐ規模になった模様だ。またこの「東京ゴールドスポット100」、先週22日には初めて50枚のEFP(先物と現物の交換)による取引も成立している。

斯様にこの東京ゴールドスポット100の好調に加えて今年は原油もETF絡みの賑わいも寄与し、東京商品取引所の4-9月期の連結最終損益は前年同期の2億7777万円の赤字から2000万円程度の黒字になった模様。緩やかに業績は改善傾向を見せつつあるが、このまま売買減少に歯止めがかかり固めに入るのかどうか引き続き注視しておきたい。


販売量急増貴金属

本日の日経紙マーケット面には「プラチナ2ヵ月ぶり高値」と題し、ファンド筋のショートカバーから指標となるニューヨーク先物相場が昨日時間外取引で1,010ドル台の動きとなり、直近安値の10月初旬に比べて100ドル超高い水準まで戻りを入れている旨が載っていた。

ところでこのプラチナといえば先週末の同紙でも田中貴金属工業が今年の1月から9月のプラチナ販売量が前年同期比で3.6倍の9,891キログラムに達し、既に昨年の年間販売量の2倍以上になった旨があった。上記の通りの低迷で、取引価格が金を大きく下回り割安感が強まった事で販売が伸びた模様だ。

両者の逆鞘長期化はこれまで当欄で何度か触れているがこの辺はやはり需給が全てに優先、金の15分の1以下の生産量で希少性が光る時が再びおとずれるか否か。ちょうど来月7日にはゴールドフェスタ2015スピンオフで金・プラチナの魅力に迫る体感型イベントも開催するので興味のある向きは是非申し込まれたらいかがだろうか。


CRB指数12年8ヶ月ぶり低水準

本日の日経紙商品面には、シカゴ市場で大豆先物価格が一時6年ぶりの安値をつけた旨が載っていたが、斯様に国際商品価格が下げ止まる気配が無い。国際商品の代表的な指数、ロイター・コアコモディティCRB指数は直近高値だった昨年6月から40%も下げて実に12年8ヵ月ぶりの低水準を記録している。

このシカゴ大豆6年ぶり安値と同じ面には「原油相場、底値を探る」として専門家による原油価格の見通しも出ていたが、こちらも大豆同様に6年6ヶ月ぶりの安値に沈んでいる。この一年こうした原油安で世界の景気が拡大すると指摘した解説を彼方此方で見掛けるようになったが、中国をはじめとし足元の世界経済鈍化は周知の通り。

コモディティーの金融商品化でETFの運用残高も急増し有力ヘッジファンド勢も挙って資産規模を膨らませてきたものだったが、このところの商品安で運用成績が悪化しここへきて今夏は米カーギル系や英大手など主力どころが相次いで運用停止の憂き目に遭っている。その裏で一部システマチックトレンドフォロー業者の台頭が見られるというが、この市場もまた役者が変わってくるのだろうか。


各種低迷の影響

さて先週末の日経紙夕刊一面を飾っていたようにまたぞろ原油価格が安値更新してきている。13日には一時1バレル41ドル台まで下落し約6年5ヶ月ぶりの安値をつけてきているが、中国景気の減速よる世界的需要減への不安に加え米シェールオイルの高水準の生産やイランからの輸出拡大観測など供給面での材料も積みとなっている。

以前にも記したように原油以外の商品にも下げが広がっており、貴金属など金の国際価格が5年5ヶ月ぶりの安値水準に沈み、またプラチナも6年半ぶりの安値水準に沈んでいる。その金に比べた上鞘のイメージから国内ではプラチナが思わぬ人気を喚起し田中貴金属工業では7月の販売量が前年同月の32倍以上、石福金属興業では同月間平均の3倍が売れるなどしている。

とはいえこんなバーゲンハントの裏でマクロでみれば既に採算割れの深刻な状況から鉱山では大幅なリストラが進行し、上記の原油安では米でもエネルギー関連の社債の一角が崩落しているという。シェール革命の波に乗って大量発行が相次いだ社債市場の咎めで、デフォルト懸念が出ると金融市場を一気に冷さす可能性を秘めておりこの辺は新たな懸念材料でもある。


試験上場6年

さて昨日の日経紙社説には「コメ先物存続は農協参加で」と題して日本の農家や業協同組合も、米国の生産者のように先物を利用すべきで取引所も農協や農業法人などに対し市場の役割や利用手法を分かり易く説明し、政府もコメの市場機能をいかし、需給調整に役立つよう積極的に支援してもらいたい旨が書かれていた。

コメ先物については先月も一度触れたが、既報の通り大阪堂島商品取引所が最近の上場大手卸各社の参入等も踏まえて今月に期限を迎えた試験上場の延長申請を農林水産省にし、同省が試験的上場期間を更に2年延ばす事を決めている。

これによって今度の試験上場期限は17年8月、試験上場の期間が6年にもおよび過去にこれ以上の延長事例が無いことから実質的にこの商品にとってラストチャンスとなろうが、先にも書いたように先物の使命は指標価格、相互利点を踏まえて限られた時間を有効に使いたいところ。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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