34ページ目   商品先物

政府の匙加減

本日の日経紙金融人には「コメ先物テコに大阪復活」と題して大阪堂島商品取引所理事長のコメントが載っていた。コメ先物といえば関係者はご存知の通り昨年8月に農水省が試験上場の2年間延長を決めている。というワケで試験期間はあと1年半だが、春には更なる振興策を打ち出すなどして本上場を目指すという。

政府は5年後の減反廃止を決め輸出拡大を目指すが、この減反廃止で価格形成を需給に任せれば農家が変動リスクを回避する場としての先物市場が必要になってくる旨を同紙の商品欄で兼松の執行役員もコメントしている。日本の農家には先物を投機とみなす風潮があるとも述べていたが、JA会長はマネーゲームとまで言っており立場違えば見解相違という典型だろう。

ここではジャスダックに上場している木徳神糧の取締役もコメントを出していたが、市場に関してはやはりJA等の不参加がネックになっており前出の兼松執行役員も指標としては規模が小さく需給を反映した価格形成になっているとは言い難いとしている。最終的な取引所構想含めて総括的に考えるならばこの辺へ政府がどれだけアクションをおこすかが試金石になろうか。


言うは易し行うは難し

本日の日経紙社説では「電力先物が機能する環境を」と題して、電力の地域独占問題や担い手としての取引所の経営問題等にも言及していた。以前にも当欄で触れたように政府は特異な形態の商品に対する価格指標を設ける事を狙い、価格変動リスクヘッジの必要性からこの電力や世界初というLNGの先物市場創設を計画している。

世界初という鳴り物入りの商品はこれまでに試みたことがあったが、現況ではこれらは一つ残らず上場廃止(休止)の憂き目に遭っている。この手の世界初という商品でなくとも他に取引実績のあるモノでも取引が軌道に乗らずヒッソリと姿を消してゆくものもあり、商慣習云々のひと括りではないような根本的な問題も根底にある。

この社説の最後には「国内外から幅広い参加者を集めるためには東商取が経営を立て直し、企業や投資家の信頼を回復することが求められる。」と記してあるが言うは易し行うは難し、板ばさみの構造的問題もありまだまだ紆余曲折か。


新甫前倒し

さて南アフリカ全国金属労組の交渉関係の報がこのところ飛び交っているが、こんな影響もあってTOCOMではプラチナが約8ヶ月ぶりの高値を付けてきている。国際相場も昨日の日経紙商品面に「金よりプラチナ 鮮明」として、金とプラチナの価格差が欧州債務危機が深刻化し金がプラチナを上回った2011年8月以降で最大となった旨も載っていた。

背景にはプラチナがこんな材料も支援して上げが加速しているのに対し、一方で金は米量的金融緩和縮小が意識され加えて新興国需要の不透明感もあって上昇ピッチが鈍っているという事がある。この金とプラチナの価格差に関してはちょうど一週間前の当欄で取り上げたばかりであったが、山高ければ谷深しその逆もまた然りといったところか。

ところでこれら商品といえばまた同紙の同じ面には、東京商品取引所が新甫の売買開始時間を半日前倒し夜間取引の開始時間に合わせ前日の17時に変更する旨も載っていた。今回の新甫前倒しは夜間取引が昨年は全体の39%を占めるなど活況になっているという理由というが、こちらも夜間の台頭著しいといったところか。


金の利用法いろいろ

本日の日経紙総合面には「金1,000トン 欧州から中国へ」の見出しで、米国の量的金融緩和策の転換を見込んで金市場から投資マネーが退出、この欧米の投資家が手放した1,000トンの金が中国へ向かったという旨が載っていた。

以前より国、個人共に中国の金保有は年々勢いを増しているが、昨今経済成長鈍化がいわれるなか今年はどういった出方になるのか興味深い。ところで文中には貿易決済を装った裁定取引で金利稼ぎが横行しているという旨も書いてあったが、これで思い出すのはもっと泥臭いところで消費税の掛からない国から金地金を運ぶ手口で付加価値税や関税還付金と日本での売却で消費税と併せダブルで還付を狙った密輸団も居たのを思い出す。

また最近では、例えばこの中国と並び金の嗜好性の高いインドでは金の輸入関税を過去最高の15%まで引き上げるなど金輸入制限措置が講じられているが、例外的に同国外に6ヶ月滞在した非居住インド人には輸入関税を支払う事で金の持ち込みが認められており、業者の中には彼らに対し航空運賃肩代わりと引き換えの持込依頼が横行しているという。

そういえば昨年11月にインドの空港で国際旅客機のトイレから約2億円近くの金の延べ棒が発見された珍事があったが、一部の見方ではこの辺の絡みのものとも見られている。斯様に金取引には税制の違いを利用した悪事も絶えないが、それもまた金ならではということか?今年も金は折に触れいろいろな話題を提供してくれそうだ。


食料への回帰

さて、ドラッグストアで整然と並べられたスナック菓子を見てちょうど1週間ほど前に、カルビーのトウモロコシスナック菓子にパッケージに表示のない落花生を含む成分が混入していたとして自主回収する旨の報道があったのを思い出した。たしか昨年の今頃もココはガラス片が混入していたとかで回収騒ぎがあったと思うが改めて管理体制が問われそうだ。

さてそれは兎も角としてトウモロコシといえば、米国ではトウモロコシで作る燃料用エタノールの使用義務量の削減案を発表している。シェールオイル増産で米石油輸入依存率が大幅に低下、依存率低減を目指したガソリン混合用エタノール増産の必要性も薄れ、また車の燃費も近年著しい向上を見せていることにも起因する。

正式に決定となれば需要減としては日本の年間輸入量近くになるというから可也のもの。また併せて健康に悪影響を及ぼすと判断した一部大豆油の使用禁止も検討しているといい、この政策で近年の供給懸念を囃していた構図が一気に沈静化する可能性も出てきた。これで漸く食料への位置付けに回帰するかどうか暫く動向を注視しておきたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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