37ページ目   商品先物

こちらも外人台頭

本日のTOCOMでは、NY市場の金急伸を受けて期先が約1ヶ月ぶりの高値まで買われた。目下のところNY市場ではファンドによる売り建玉が過去最高水準になっている旨の発表がCFTC(米商品先物取引委員会)からあったが、FOMC前のショートカバー期待も一部この上昇に加勢している模様だ。

低迷しているだけに反発の兆しが出るとざわつかれる金だが、供給不安に加えて景気回復期待で白金も強調展開を維持し金との差は約2年ぶりの大きさまで戻ってきている。初期に中途半端なところで裁定組んだ向きは更なる拡大やら鞘滑りで苦労させられたろうが、こういったところはやはり無限月モノが有利か。

ところで日経紙によると先月のTOOCMの外国人投資家売買比率は実に40.9%になり初の売買比率4割超えとか。先の4月の暴落時にはHF絡みのトレードによって短時間に大量の注文が殺到した経緯があったが、これらを駆使する外国勢の今後の台頭でまた場も違った構図になってゆくのかどうかこの辺も気になるところではある。


継続提言

本日の日経平均は約1ヶ月ぶりに14,000円台を回復したが、全般高のなかで久し振りに一寸跳ねたり商い回復してきたものに木徳神糧やヤマタネなどのコメ関連物も散見された。TPPの交渉を巡り、加工用米等の関税に関しては思惑が一部出ているが折に触れまたこれら関連が動意付く場面もあるかもしれない。

さてコメといえば、コメ試験上場検討特別委員会が先に大阪堂島商品取引所に対して試験上場期間の延長などの形で取引継続を求める報告書を発表していたが、この報告書を受けて同取引所は農水省に取引継続の申請を今月中にも申請するという。

一方で市場参加者の方だが、コメ卸で作る全国米国販売事業協同組合が取引参加の意向を示し、コメ卸の最大手の神明は先月からこの大阪堂島商品取引所のコメ先物にヘッジ売りの用などで参入している。東穀の解散により何とも歪な形で移管された同商品だが、最大手の参入で先ずは裾野の広がりを見せるかどうか一寸注視しておきたい。


粛々と積増し

本日の日経紙商品面には「中央銀、なお金買い高水準」として、4月の買越量が7ヶ月連続で節目の30トン以上となるなど新興国を中心とした世界の中央銀行の金買い意欲が依然として衰えていない旨が載っていた。

同記事では4月の金輸入国はロシア、カザフスタン、トルコ、それにアゼルバイジャンの4カ国で経済成長から外貨準備が増えている国との指摘があったが、中国からも目が離せないとしていた。かつて中国は金準備を大幅に拡大し、いずれ米国と同水準まで引き上げるべきとの見方をした経緯があったが、3月の香港からの金純輸入量は前月の2.2倍に膨らむ等この辺は肅々と進行している感がある。

先週放映された日経チャンネル「アベノミクスと世界経済そして金」でも新興国の公的金保有を示したパネルのトップになっていたが、金融政策をめぐっては相異なる二つのリスクを擁していると長らく言われてきた同国、今後もそのバイアス如何ではこの金と絡めてさまざまな思惑もまた出てこようか。


コメを巡る動き

本日の日経平均は円相場の再度の上昇でパッとしなかったが、序盤ではイハラケミカル、クミアイ化学、北興化学等の農業関連が急伸する場面があった。これら政府の戦略市場創造関連の一角として何度も囃されているが、先の日経紙には農業を成長産業にするために「コメ偏重 再考のとき」としての記事も目に付いた。

そういえばこのコメといえば、先月末には今年8月に試験上場の期限を迎えるコメ先物取引の本上場への移行が見送りとなる可能性が高まっている旨が報じられていた。低迷する商いの中、価格乱高下はない等という有識者委員会の意見も苦しいところだが生産者側も試験場上中では参入する気にならないと断る理由にされている感がないわけでもない。

今迄再三取り上げてきたように一向に反対派のJAグループと溝が埋まらない中、東穀取は杜撰経営で解体、このコメだけが堂島へ移管され肝心の取引は上記の通り当初見込みの3割以下にまで低迷している現状ではこうした観測が出てくるのも致し方無しだが、内だけの動きとしてこれ以上の進展は難しい感も。所謂外側からの動きがあるや否や今後はこの辺に注視か。


浮動玉

本日の日経紙には「NY金、ファンドが売り」としてNY金の売り建玉が過去最高水準になった旨が載っていたが、4月の暴落以降は早々に100ドルほど戻し1,400ドルの大台を回復したこの金も、今月に入ってからは再度1,300ドル台へとまたまた先の安値圏に沈み往って来いの様相を呈している。

金市場から過剰流動性が退出する勢いが旺盛とされているが、この連休明けの米株式などDOWが4営業日ぶりに終値ベースで市場最高値を更新しているのに見るにこの辺は否めないところ。先月の暴落時では中長期的な運用資金がメインとされるETFからも資金流出が取り沙汰されていたが、結局は所謂浮動玉の部分が足の速い資金で包まれていたということだろうか。

目下、株の方はFRBの量的金融緩和早期縮小を睨んでの思惑でザラバ高下しているが、金融商品化しているコモディティーもこの金を始めこれら複合的に消化しながら今後のトレンドが作られてゆくといったところだろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2024

11

1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30