70ページ目   商品先物

続く逆行

昨日の時事で見掛けたのだが、東穀取は流動性の回復が狙いとかで粗糖のザラバ取引を早ければ来年2月の新甫発会を機に板寄せに戻す方向で検討に入ったらしい。

この粗糖といえば先の11月限納会は前日比11,000円高と暴騰を演じ55,240円と上場来の高値を更新したものの、先月の1月限納会ではたった7枚の買いハナが狙われ前日比7,450円安の暴落を演じ10,000円ドタと単位変更以来の安値を付けるという既に公正な価格云々を謳うのも躊躇われるマーケットになっている。

しかしこの東穀取も証券系などから言わせるとトンでもなくインチキな値付けが罷り通っていた時があったり、直近では度重なる延期に振り回された挙句にやっぱりヤメましたという事になったコーンのザラバ化があるがそもそも新システムなるモノはどういった意図で設けられたのだろう?

東穀取の「中期ビジョン」なるものの中にはTOCOMの新システムとゆくゆくは統合する方針と謳っているが、この先もこんな調子のまま紆余曲折な歩みしか出来ないのだろうか?TOCOMに続き株式会社化したら、それこそこんな失態は許されるはずもない。


株式会社東京工業品取引所

早いものでもう師走入りとなったが、本日付けでいよいよTOCOMが国内の商品取引所としては初の株式会社に移行する運びとなった。

先に報じられた非常勤取締役に取引員からは一人という人事関係は前述した通りだが、先月7日まで申し込みを受付した増資は外資系数社の割当がいわれていたものの、金融危機の影響があったのかはて別な理由からかいざ開けてみればバークレイズ一社となり予定額には届かず終いであったとか。

引き受けた取締役の中には早くも気が重くなっているという向きも居るようだがともあれこれでもう会員主導組織は終焉を迎え、今迄のような例えば証券系から見ても一部首を傾げたくなるような政策は許されなくなるが、株式化で標準に一歩近づくというのもそれはそれでなんとなく情けなくあるもののリセットした新生という意味で相互乗り入れ等含め期待したいものだ。

そういえば中部も年内に株式会社化云々言っていたし、東穀取も来年中に株式会社化を表明しているが当然ながらその先の合併等まで視野に入れた枠組みが構築されているのだろうか、銀行よろしくそもそもコアといわれるこのTOCOMも統合によって今の姿があるし、メガバンクでさえこんなモタつきはなかったと思うが同じステージで見る事自体に無理があるか。


売り切れ狂想曲

さて、今週は田中貴金属工業が今年10月までの投資用地金型金貨ウィーン金貨ハーモニーの販売量が、既に昨年一年間の販売量の2倍に達したと発表している。

この田中貴金属工業、先週には10月の投資用プラチナ地金の販売量が過去最高になったと発表しているが、なるほど改めて同社のHPを見てみると世界的な金融危機で貴金属投資需要が盛り上がった結果製造が追いつかず、モノによっては在庫が無くなり販売を停止しているものがある旨の「お詫び」が掲載されていた。

さてプラチナ、なんでも1980年以来の7,000円台高値から一気に半値以下にまで叩かれた事に因る割安感こそ買いが殺到した原因らしいが、大手の今がチャンス的な広告も目にする昨今、確かにこうした媒体も縁の無かった向きを一段と後押ししているのかもしれない。

ただ気になるのは僅か数ヶ月で高値から半値以下にまで値を下げられるモノに対して、大手紙などで事ある毎に「安全な資産」なる一文を見る度に違和感を覚える部分も。

ところで売り切れと言えば、先月末の当欄に外貨両替商の外貨が何処も底を尽き売り切れ状態になっている光景を目にした経緯を書いた事があったが、これもまた右へ倣えのセンチメントなのだろうか?


マザーマーケットのミニ

本日10日はTOCOMで白金先物ミニ取引がスタート、このミニ取引としては昨年7月に上場した金先物ミニ取引に次ぐ第二弾となる。

昨年金ミニが上場する際に、「創設目的の一つに期近のリクイディティー向上とあるようにオプション取引よろしく期近から並べているがこれとてまたかという感じ〜」と書いたが先に述べたように期近誘致が不発に終り今回の白金でも六限月制が標準化の道を辿っている。

そんなわけで本日も果たして実質的に参加があったのはご覧の通り先限のみ、とは言っても曲りなりにもTOCOMの白金は取引高においてはマザーマーケットを誇るわけで金と比較して著しく閑散になる事はないか。

さて、こちらは新設なので一寸ニュアンスは異なるが、東穀取では先の大豆ミニ化でそれ以外のリクイディティー低下が顕著になったり設計変更から既存商品出来高の減少を招いているとの時事の記事で見掛けた事があったが、新設より設計見直し等々の論議がまたぞろ出てくるだろう。

また新設モノでPRも力が入ろうというものだが、これまた金先物ミニ取引上場時に懸念した通りの錯覚効果満載の公表はもういい加減辟易してくる頃か。


直接浄化?

昨日は経産省・農水省がCFTC(米商品先物取引委員会)と商品先物市場の監視体制を強化する事で合意したとの報道があったが、経産・農水の両省といえば28日から商品取引所法に基づき日商協に立ち入り検査に入った旨の時事の報道が週末にあった。

この日商協への立ち入り検査は初めてで異例とはいっても、減少しているとされる苦情相談とは逆に両省による一部取引員の旧態依然とした低レベルな違法行為が焙り出され行政処分件数は増加という現状下ではある面致し方無しとも言えるだろう。

今や商品取引所法の改正に向け「不招請勧誘の禁止」導入の是非が活発に議論されている中、この手の自主規制機関に対する立ち入り検査は上記に記した事以外にもやはり徹底した方向性なりが窺えるが、以前より当欄では自主規制機関の存在感なり啓蒙の必要性を謳ってきたがこうした件をテコに切っ掛けを図ってゆくのも一つの技量とはいえまいか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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