81ページ目   商品先物

証券株との相違点

昨日は商品業界5団体のトップが一堂に会し、商品取引員の置かれている現状や課題等の意見交換をする場が設けられた模様だ。

意見としてはやはり今迄概ね議論されてきたような抽象論が多いと感じてしまう部分は否めないが、管轄主務省や取引所レベルでは矢継ぎ早に今後の展開を睨んだ方策が為されている中でこうした取引員の経営環境や事業展望等は殆ど議論に挙がっていなく、この辺は度々当欄でも取引員と取引所レベルので行動のギャップと評してきた事である。

今後中間決算の発表が続々と控えるが、一部の訳ありの向きを除いては上場取引員株は決算悪を織込む形で年初来安値近辺での低迷が大半、こうした光景は株式活況時に映える証券株とは構造的に異なる事を端的に示している。


機会損失

週明けの本日も騰勢が止まらない原油が時間外取引で最高値を更新したのを始めとして、TOCOMでは貴金属の約定高値更新やゴムの300円大台超え等先物市場はどれもこれも破竹の勢いなっている。

そんな中を時事の記事にて「活況を呈する中を日本の先物市場はこれと裏腹に出来高や総取組高の減少に歯止めが掛からず苦戦を強いられている」という旨が目に付いたが、値は兎も角確かにリクイディティーが更に極端な低下を示すようだと正に絶好の機運を生かせず地盤沈下だけが鮮明になってゆくのは明らかか。

FUTURES PRESS等では既報の通りまたも取引員関係の処分が為されたが、適正なる手段で新規顧客開拓をしてゆく過程で旧来の手法が通用せずこれほど開拓にブレーキがかかり委託者減少が鮮明になっているのは今迄の歪を物語っている点は否めなく、この環境を生かし切れない損失は大きい。


管轄の思惑

今週はまたぞろ投機マネーのシフトもあって国際商品の上昇が際立ち、原油の史上最高値更新を始めとして金も28年ぶりの高値を付けた週であった。

斯様に活況を呈する商品であるが先週開催された産業構造審議会商品取引所分科会では、01年から5年で世界の先物取引がボリュームを3倍に増加させている半面、国内では直近3年間で約半減となっている点等の指摘が挙がり、リクイディティの確保や増大が不可欠との考えから利便性を向上させヘッジや投資家ニーズを踏まえた豊富で魅力ある多様な商品の上場が必要としている。

そんな中、本日の金融審議会第一部会では商品先物指数に連動したETFの多様化を検討、傘下配置案に難色が出る中での総合取引所化への布石ともいえるが巷で期待されている相乗効果となるや否や先ずは今後の進捗具合に注目したい。


デフレの残像

さて今月に入ってから日水が練り製品他値上げしたのを始めとして東洋水産がカップ麺を値上げ、昨日はエスビー食品がカレー等、山崎製パンはパン類を値上げと身近な存在が立て続けである。

この辺の事は6月に飲料系で触れた事があったが、依然として穀物等の商品は高騰を継続しやはり時勢からそうした流れは自然なところだろうか。

こうした企業としてもデフレの残像が残っている向きも多く賛否両論も一部にはあるようだが、そうした思考もこのご時世ではいよいよ終焉を迎えてゆく流れ。

しかし一寸周りを見てみれば東欧あたりの商品の値上げはそれこそデフレ慣れした日本人には驚きで、それを考えれば未だ未だジンワリ型の値上げ等かわいい方かもしれない。


思惑と暗中模索

本日の理事会にて全国商品取引所連合会は、来年3月末日の解散を決定し10月以降は解散に向けての事業整理に着手、今年度事業も順次縮小や廃止という方向になる模様である。

各取引所ベースでの様々な動きは周知の通りであるが、こうした動き含め株式会社化への動きも水面下では粛々と行われているようであり、出資された株式資金の導入が為される事で漸くというか慣習の一つにもなっていた義務売買めいた愚行もやっと過去の物へなって行くのであろうか?

さて取引所といえばザラバ取引以降を直前に控えた東穀は、本日の臨時理事会でシステムの不具合から同取引を来春以降に延期したと発表、業界関係者の間では様々な思惑が飛び交っている模様だが統一性を視野に入れたものか否か、何れにしてもバラバラな各々の行動に依然としてユーザーは視界に入っていない模様。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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