82ページ目   商品先物

痛し痒し

周知の通り先のOPEC総会では増産が決定したものの、小幅な上積であった事やEIA発表の原油在庫急減から供給懸念が強まりNY原油は初めて80ドルを突破し最高値更新となった。

今月は先にNY金も700ドルを突破しており、つい一ヶ月前のサブプライムローンショックでは商品市場が軒並みクラッシュしたもののまたぞろ商品の時代到来の兆しであるが、そもそも先の危機的なマーケット状況時に対症療法よろしく利下げや利上げ据置という措置ではこれら再復活の素地は充分であったといえる。

そんな訳で昨日はCRB指数も5週間半ぶりの高水準になっているがこうした状況になって来るとその素地を作り出した当局も複雑なところ、それはそうと国内では先のショックで商品の総取組が急減した経緯があるが今後復活してくるのか否かまた注目だろう。


表向きの理念

週明けの日経平均は外部環境の悪化から全面安商状が続いて大幅続落、取引員株も例外ではなく軒並み安から年初来安値更新組が幾つか見られたが、「カウボーイ」や「FUTURES PRESS」では既報の通り週末の3社行政処分について触れており、立て続けな処分に加えてその内容の厳格化も顕著になって来ており昨今の監督官庁の姿勢を確認する意味でも触れざるを得ないであろう。

今回の中でも一社はお約束のように呆気なくパンクの申請へと事を運んだがゼネラルの血筋はそうそう変えられるものではないか、その辺は兎も角先の刑事事件でも今回の件でも当該企業の理念に掲げるモノは「お客様との共存・共栄」、「お客さまと共に発展」、「顧客第一主義」等々これでは信頼云々以前の問題だろう。

また業界要人のコメントも毎回処分の度に時事あたりから出るが、段々所感も短くなって来ており出尽くし感も漂う中で上記と併せて苦しい限り、既に証券では或る意味防衛手段で常識化しているが所謂浄化が加速してゆく中で不祥事に自ら手を上げてゆく動きには程遠い。


舵取りと選択

週末には国内で唯一「手振り取引」が残っていた中部大阪商品取引所で、40年以上に亘って続いてきた同取引が幕をおろした。

実に堂島時代からは300年以上にも及ぶ長い歴史を有し、全国の証券取引所や商品取引所で多用された同取引だがシステム化でスピードやコスト面改善の流れが最後に末端に波及した形か。

本日は早速新取引システムが始動した模様だが上記手振りの立会い最後となった天然ゴムは取組高急減で人気離散が著しいとか、また本日は東穀がこれと同様の状況にあった大豆ミールの上場を廃止を廃止する方向で調整に入った事を明らかにしているが、市場選別の波も同時にヒタヒタと近づいているか。


金関連夫々

さて連日の円高でTOCOMでも貴金属関係等は直撃されているが、貴金属といえばミニ金がそろそろ上場一ヶ月経過するが今迄で一日あたりの平均出来高は約4,000枚とか。

一方で上場してほぼ一週間の金価格連動型上場投資信託も日足では連日の陰線引けで商いも減少傾向、そういえば時事でこの両者比較してミニ金が金価格連動型上場投資信託の平均出来高が重量換算で大きく上回ったので面目を保った云々の記事が出ていたが、相変わらず商いの内容は考慮されていない感じ。

まあそれは兎も角、今年後半に導入される新法を睨んで現物交換型を狙う東証と先ず上場ありきと口火を切った大証、先物とOP開始の時同様にこれが吉と出るかどうかこれらの引き合いと併せてまだまだ注目である。


株価に見る評

昨日はカウボーイの「我想う」で詳細の通り、ドットコモディティ、アストマックス・フューチャーズ、ひまわりCXの3社がTOCOMで記者会見し商品先物のネット受託事業を統合する事の基本合意を発表していた。

この件に関してはTOCOMの理事長もエールを送っているが、ネット専業の採算を考慮すると現状のリクイディティーは対面同様に厳しいのは変わりなく、時事あたりでも「業界の再編成がネット専業でも表面化した格好」と評している通り今後はその采配如何というところか。

さて本日は株式市場が全面安で年初来安値を更新する中にあっても、この件が材料視されアストマックスがザラバでストップ高まで買われたものの高値からは潰されて大引け、またひまわりホールディングスは前日変らず、この辺はカウボーイが昨日記で「統合という事実以外は殆どまだ何も固まっていない」と評していたが株価もそれに即した動きになったか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2024

11

1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30