87ページ目   商品先物

皺寄せ

さて今週は3日に野菜先物小委員会の会合が先月に続いて開かれ、野菜先物取引の商品性の改善策が検討された。

ご存知の通り今年の末には3年間の試験上場期間が過ぎるわけだが、設計案その他論議しても果たして決め手になる案は出なかった模様。

この手で毎回不思議なのはヒアリングで評価する向きはいるのに何故取組がピンも無いのかという事、ならば率先してやったらどうかと思うが一般には見えない事情でもあるのだろう。

2月にもこの件に触れているが先に全商連が発表した06年度の出来高は21.1%減と3期連続で減少、主力でさえも斯様に低迷している中をどう手を回すつもりなのか?

“取り急ぎ”で無理をすると別な部分では必ず皺寄せが来るのはごく自然な流れ。


全体像

本日時事で見かけたが、国民生活センターによると国内公設に関する昨年度の相談件数は前年度比で14%減少の605件、商品先物取引全体では同15%減少の4,004件であったらしい。

対して国内私設の方は同30%増加の800件と今の流れを数字は如実に物語っているが、今後出て来るであろう新手の?ビジネス?等を考慮すればまだまだこの傾向は顕著になって来る可能性が高いのではないか。

これら踏まえて振興協会もセンターに対してヒアリング等を行っている模様だが、これを含め関係各会も明確な分析を纏め同時にその存在感を固めてアピールしてゆく事が要求されよう。


デイトレ型

新年度入りとなった本日は多くの企業で入社式が執り行われたが、その取り巻く環境が厳しさを増す商品業界も一様に社長の思い思いの入社式に於ける一言が幾つか出ていた。

依然として毎年同じ雛形から引っ張ってきたような抽象論から時代に則して厳しさを訴えるものまで様々であったが、ここ数年はその層自体が可也変って来ていると思うが取る側も変化しているのだろうか。

先に社会生産性本部は今年の新入社員の特徴を「デイトレーダー型」と命名しているが、景気回復局面を背景に他業種含め売り手市場であっただけにさて今後の“乗り換え”動向は如何にという事で注目である。


特定商取法

昨日経産省では業法が無く被害が拡大しているロコ・ロンドン取引・海外先物OP取引について、販売を規制する「特定商取引に関する法律」の規制対象とする方針を明らかにしている。

同取引に関しては年明けに一度当欄で触れた事があったが、規正法が無く現状はやりたい放題、FUTURES PRESSにて再度「ロコ・ロンドン業者、半数以上が過去にトラブル」と出ているように、同内容を見れば当初から考えられ得る範囲を網羅しておかねばイタチごっこは暫く続くであろう。

同実施は今夏以降になる見込みらしいが、先週の資金循環統計に見られるように現預金を減らし投資性商品が増加してきている昨今、以前にも書いたように自己管理が先ず大前提となろう。


夫々の決断

先週末にはTOCOMが、三井物産Fの建玉が対面営業業務を引き継ぐ事となった明治物産に継承された旨の発表を行っていたが、これらの作業終了で業界から財閥系が一つ減ったことになる。

同様にリテール系ではひまわりシーエックスや北辰商品も売却等を先に表明しているが、経営資源の統合による収益体制や事業基盤の強化を画策する水面下の動きは依然多い。

これ以外にはコンプラやら何やら世間の要求通りに営業を続けるとなると到底収益が望めず、経営存続の必要性が疑問になって来るトコロなどは規模縮小が機械的に行われており近々にも各々の形で撤退表明がなされるだろう。

過渡期。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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