90ページ目   商品先物

懸案事項

さて年明けから軒並み急落の憂き目に遭った主力商品市場であるが、とりわけ国内の特殊事情である取組薄の事情では負の負荷が掛かりイレギュラーな乱高下が目立つ展開である。

幕間繋ぎのマネーゲームは他市場では良くある事であるが、こればかりしかも長期に亘るようであれば構造そのものに疑問符が付く状況になって来る。

こうした状況下国内ではIRや活力を取り戻すの掛け声も鼻息荒いが、世界的にETFの創設拡大や今後のリバランスを勘案するに、この状況が続くのは好ましくない事は関係者が一番良く知っているはず。

昨年末頃の当欄で「毛色の違う企業や投資家も大挙して参入ということになると、その受け皿の体力も懸念されないわけではない。」とコメントしたことがあったが、この課題は今年も大きい。


陵谷遷貿

さて今年も残すところ明日半日となったが、今年を顧みると改正商取法施行をトップにして様々な形態での業界再編、それに起因するのかどうか疑問だが出来高・取組高減少、そして取引所の統合等々寒い話題が目白押しであった。

法を巡る議論でも不利なサンプルばかり取られた形になった局面も多々あったが、関係機関の存在の薄さというか啓蒙を怠った結果が不利な処でクローズアップされたというのは明白だろう。

上記取引所統合にしても当欄で度々触れてきた、他取引所のような「合従連衡」のカテゴリーにはとても入る物ではないのは誰の目にも明らかである。

企業にしても取引所にしても今水面下で進行している個別案件は多く耳にし、これら来年どの程度実を結ぶかは未知数だが、業界全体の力量を測る上でも個別に注目意しておくべき点は多くある。


皆様一年間の御愛読誠にありがとうございました。
どなた様も良い御年をお迎えください。


週末からFUTURES PRESSでも既報の通り、南都銀行は野村證券と提携し商品デリバティブの取り扱いを始めている。

当初は大手証券の本格参入で色めき立った業界であるが、敢えて自らリスキーなリテールへはそうそう参入出来まいとの観測が取引員トップにも囁かれ始め上記等のホールセール物の裏付けも為されほぼ一ヶ月で話題も冷めてきている。

まあ良く解釈すれば産業界に本来の啓蒙が出来るしその枝葉で取引員を介する事もあるだろうが、ここでも問題になってくるのは受けの側で上記と別の大手証券は加入検討として挙げている商品取引所はただ一箇所のみ。

やはり何れにせよ安穏としていられないようだ。


負担

一部に注目されていたNonーGMOであるが、巷で喧伝されている通り実需にそぐわない高めの値を保って納会となった。

歪な納会で投機色を指摘する向きは多いがこれは何れの取引所にも言える事、さてこの東穀だが先の理事会で来年3月1日から全てのオプション取引を休止する旨を決めている。

当初啓蒙に走っていたものが、今や会員には極力新規建玉を避けるよう要請する等寒い限りだが、消えゆく取引所同様に?やっと?という感じである。

またコメ上場の不認可に端を発する売買手法議論は半年以上燻っていたが、こちらはソフト物を先行してザラバ移行する事を正式に決定し他取引所とのシステム統合も匂わせている。

他取引所の動きにもいろいろな意味で注目だろう。


委ねる

さてFUTURES PRESSで既報の通り、週末にはアストマックスが三井物産Fの全株取得へ向け最終合意の交渉をしている旨の報道がなされていた。

アストマックスの絡みはそう喧伝されてはいなかったものの、MBFに関しては既に数ヶ月前から某証券の名前が挙がったりし株式売却の思惑は業界人の間では絶えなかった経緯があるが、この年末へ来て漸く結論が見えたという感じか。

ここまで商社系は受託に軒並み進出して来たが、気が付けば中堅下位から順次閉めるなり他へ身を委ねるなりの結果が多い。

この辺の推移は先に触れた大手証券が次期商品業へ進出する件と絡めて一つの興味深いサンプルとなるか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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