95ページ目   商品先物

現先・夫々の立場

台風一過、爬行色の出た本日のTOCOMであるが、釣瓶落しの下げとなった金などは未消化の売り残しが出た感じ。

金といえば最近時事で見かけたニュースで「田中貴金属」の貴金属部長が、TOCOMの先物取引の広告に対して苦言を呈していたのが目に付いた。

昨年末の金のベーシスやらパラジウムの価格凍結まで引張り出されていたが、まあこうした当業者から見れば市場も啓蒙も奇異に映るのは至極当然といえよう。

株も含めて個人のスパイラル売りが起きると、真っ先に投機系は悪者にされてしまうが双方ファンダメンタルズは劇的に変化したわけではない。

直近「四季報夏号」の表紙には「2007-08年最高益続出」と出ている中で周知の通り株式は暴落している。

この辺も実に似ているように見えるのだが?


因果応報

さて昨日は「金融商品取引法」が参院本会議で与党等の賛成多数で可決、成立した。

商品先物取引の場合は直接対象には含まないものの、今後を見て所謂不招請勧誘禁止も盛り込んだ13項目の付帯決議も採択となっている。

当業等の当用を全面に出して「産業インフラ」を盾に説明して来た経緯からは、別段これが導入される事への抵抗は本来まったく無くて当然な訳だが、論議の度に今度は一般委託者論が俄かに台頭する等変幻自在な反応である。

この件で日証協と日商協は夫々トップがコメントを出していたが、やはり受けるニュアンスは温かさが随分と違って聞えた。


タカ派

いろいろと物議の対象となっているバーナンキ氏だが、議会初証言では利上げ休止示唆というのがコンセンサスであったが、それの裏返しがそのまま出た格好になった昨晩であった。

商品相場も国内モノを除いては総じて本日は弱かったが、それ以上に「村上ショック」で灰汁抜け期待のあった株式市場は今度は「バーナンキショック」に見舞われた格好となった。

この期待感というのも厄介で今回の件も利上げ継続確定の手前だけに、織り込みにはどの程度時間を要するかは不透明、その過程でまだまだ株式・商品は思惑含みとなろう。


先取りした鞘

昨日一人気を吐いたゴムであるが、本日は一転してザラバストップ安まで叩かれる急落となっていた。

最近はどの商品もそのボラティリティーから、コレクションにしてもそれなりの篩いとなり先物に於いては資金管理が問われる相場となっている。

またコレクションの過程に於いても、今迄の不可解な鞘の総上昇相場の帳尻を合せるような鞘の修正が教科書的な物に収まりつつある商品も多く目立ってきた。

信用残の多さを背景に売り込みが溜まったものの、ジワジワとした現受けに拮抗してくる株の信用取組を見ているようでもあるがさて・・。


対象循環

週末に飛び込んできたジャワの地震被災は一刻も早い復興を願うばかりだが、そのロケーションから直接的な要因とならずもセンチメント的にやはり影響したのは週明けのゴム。

TOCOMで一人気を吐いていたわけだが、本当によく循環が効いている感がある。

ゴムといえば安値低迷時には、大手筋と某取引員が辣腕外務員を巻き込んで一相場目論んだ経緯も少し前にはあったが、阪神大震災時も確か同辣腕筋絡みであった。

同じ大相場でも今年の商品相場は何れもこうした物と異質でまた新たな流れを感じる。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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