都市鉱山
昨日の日経紙科学技術面には芝浦工大などが鉱山廃液中のレアメタルを、微生物を使って効率よく回収する技術を開発した旨が載っていた。具体的には銅生産時の廃液からセレンの90%を分離することに成功、現在の無駄を無くし使用済みの化学薬品や電子機器のセレンもリサイクルでき、別のレアメタル抽出に最適な微生物の候補も見つかっているという。
さて、このレアメタル回収であるが、株式市場ではこのところ連日続伸していたフルヤ金属が一段高、これは本日、田中貴金属工業と資本業務提携契約を締結するとの発表が好感されたもの。同社はPGM系レアメタルの精製・改鋳で有名だが、田中貴金属工業の安定的な調達力と同社の高度な技術の融合で同事業に関する競争力を確保出来るという。
需給的にはこの第三者割当増資の141万6千株で24%以上の希薄化となるものの、シナジー効果の期待感に今が旬なレアメタル関連だけあって需給悪に勝っての株価上昇といえるか。しかし眺めてみればレアメタルを強化中のアルコニックスは年末から上げ続けて本日もまた新高値を更新、先のレアメタル回収技術開発報道があった日立金属もまた本日は新高値を更新、子会社がレアメタル回収の新技術を開発したDOWAホールディングスもこれまた本日は新高値を更新等々。
斯様にざっと挙げてもゾロゾロ出て来るが、これらはど真ん中銘柄であるものの最近では森下仁丹までがレアメタル回収バイオカプセルの特許で年初来高値を付けるなどしている。しかし上記の微生物といいこの仁丹も同様に微生物絡みだが、都市鉱山関連もあらためて日本の光る技術を見直す機会の一つともいえるか。