勢力図一変

さて先週末にかけて飛び込んできたビッグニュースといえば、やはり鉄鋼国内最大手の新日本製鉄と3位の住友金属工業が合併に向けた検討を始めたという報だろうか。公取委等の独禁当局の審査を経て2012年10月の合併を目指すというが、これが実現すると実にアセロール・ミタルに継ぐ世界2位に浮上する見込みという。

つい先週の火曜日には当欄で、「目指すメジャー」として一昨年の国内石油元売り最大手の新日本石油と新日鉱HDの経営統合等を挙げたばかりであるが、今回はその規模からして株式市場にはさすがにインパクトになった。新日鉄がこの値段帯で買い気配から40円高で寄るなどほんとうに久し振りに見る光景である。

しかしこれを核として買いの手は周辺銘柄にも波及、残る持合先企業から両者の傘下企業、出資の経緯があったところまでこれはもう連想ゲームの世界。こういった時はどの程度その資本関係や傘下企業を把握しているか否かでトレードでは大きな差が出てきてしまうが、この両者だけでTOPIXなど1ポイント近くの寄与度になるなど祭り並みの賑わいであった。

その辺は兎も角、勿論今後は公取委等の独禁当局の判断が焦点になってくるし、巷の各証券のアナリストが高評価するようになるにはその経営スピードがどの程度上位他社に鞘寄せ出来るかに掛かっている。上位他社比でPERなどが上鞘な分それに見合った利益成長の絵をこれから描けるかどうかだが、何れにせよ今回の報が国内企業の合従連衡復調の起爆剤となるや否や今後も大いに注目である。


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