2023年IPOの幕開け

先週末に2023年の第1号IPOとしてITソリューション事業のテクノロジ-ズが東証グロース市場に新規上場をはたしたが、注目の初値は初日は終日買い気配値を切り上げたものの寄らず。上場2日目の翌日になって公開価格1000円の役3.65倍の3650円で初値を付け、ザラバでは4000円の大台を付ける場面も見られた。

同株は他のIPO案件との申し込み期間被りは1社として無い事や、大株主のロックアップ等の需給環境の良さからロケットスタートとなったが、過去1年間に上場した銘柄の値動きを指数化したIPOインデックスも先週末は22年末日で13%高く、2022年1月5日以来、約1年ぶりの水準まで上昇している旨が先週末の日経紙に出ていた。

2017年以来となる1月IPOの同社株だが、規模的には公開規模も10億に満たない小型の部類に入る。小型といえば昨年は東証中心に国内での上場件数は90社超と高水準を保っていたが、世界経済の不透明さや地政学リスク等を背景に大型案件が慎重になったこともあって1社あたりの市場調達額は前年より4割減る見通しという。

世界レベルで見てもIPOは米での中止件数がITバブル崩壊以来の高水準になるなどで、昨年のIPOの調達額は1400億ドルと前年より65%も減少している。各国中銀の金融引き締めで景気後退懸念が高まったことで投資家のリスクマネーが減少している証左だが、今後の金融政策は引き締めのペースダウンが期待されるなかでこの構図が変化するか否か海外の機関投資家などの需要動向に注目したい。


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