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ETFで下がるハードル

本日の日経平均は朝方堅調であったものの次第に戻り待ちや利益確定売りに押される展開となり引けは反落、米半導体大手エヌビディアの決算を控え国内半導体株含め模様眺めの雰囲気が広がる一日であった。ロイターではオプション市場で来る四半期決算発表後に上下いずれかの方向に8.7%変動する可能性があり、時価総額換算で2000億ドルの変動に相当すると報じている。

ところで半導体といえば来月から東証に上場する半導体関連銘柄から時価総額の大きいもの30銘柄で構成される時価総額ウエート方式の指数「日経半導体指数」を連動対象とするETFが新たに上場のはこびとなる。日経平均は2月にはれて史上最高値を更新してきたが、その上げに大きく寄与し牽引役となったのは紛れもなく半導体関連株であった。

まあいろいろ都合もあるのだろうが、出来ることなら大きな波がおとずれる前の昨年末とか年初にこの手のモノは上場して欲しかったというのが正直な気持ちだ。とはいえ半導体関連株は最低投資金額が高い銘柄が多いだけに、曲がりなりにもこうしたハードルが下がったのは朗報か。ところでハードルが下がるといえばビットコインETFの国内承認は叶わないのだろうか?

現状で暗号資産は投資信託の運用対象である特定資産から外れており、そもそも金融庁は5年前の指針改正において暗号資産を投資対象に含む投資信託の組成・販売を禁止している。とはいえこの辺は当局のさじ加減一つだと思うが、ビットコインETFが新NISAの成長投資枠に加わる日がはたして来るのか否か?あれこれ要望めいたものが多くなってしまったが、貯蓄から投資を睨み柔軟な対応を期待したいところ。


3メガそれぞれの株価

さて、昨日は3メガバンクの2024年3月期の連結決算が公表されたが、05年に現在の3社体制が成立して以来の最高益を更新した。三菱UFJフィナンシャルグループは最終利益が前年比33.5%増の1兆4907億円、三井住友フィナンシャルグループも最終利益が前年比19.5%増えて9629億円とそれぞれ過去最高を更新、またみずほフィナンシャルグループも最終利益が前年比22.2%増の6789億円と過去2番目の水準となった。

日銀の大規模金融緩和策の修正による金利上昇、歴史的円安で円換算した外貨建て収益も膨らみ、底堅い国内経済を受け企業の資金需要堅調などあらゆるものが追い風になった格好。3メガはこの日同時に大幅増配に踏み切る方針も発表し、2025年3月期についても三井住友フィナンシャルグループは初の1兆円突破を見込むことや諸々の株主還元と併せて同社の株価は昨日に続き大幅続伸し年初来高値を更新していた。

しかしこの三井フィナンシャルグループ以外のメガバンクの株価回復も、一昨年の年末に長期金利の変動幅上限のサプライズ修正を行って以降は特に目覚ましかった。もうPBR1倍超えの回復は到底不可能とも思われていたが、14年半ぶりに三菱UFJフィナンシャルグループは3月にいち早くこれを回復、またみずほフィナンシャルグループも暫くは不可能と言われていた2003年の1兆円増資の優先株を16年に普通株強制転換した際の換算価格である2829円を3月に上回って来ている。

斯様に銀行を取り巻く環境も様変わりだが、ここからは米の利下げも睨みマイナス金利から金利のある世界へと変貌する世界で今後は融資能力なども問われてこようが、いずれにせよ日銀が追加利上げに動いた場合更に業績を押し上げる可能性も秘めているだけにこれらと併せ今後も引き続き株価共々注目が怠れない。


ローリング・キティの二番煎じ

週明けから米株式市場で話題になっているのが、ゲーム販売の米ゲームストップ株と映画館チェーンのAMCエンターテインメントHD株などの急騰か。13日にはゲームストップが前週末比で約2.2倍まで急騰し昨日も60%高の大幅続伸で2021年6月以来の高値を示現、AMCエンターテインメントHDも同約8割高急騰し昨日も約30%高とこちらも大幅続伸となっていた。

この手の所謂「ミーム株」といえば上記の通り3年前の狂乱相場が記憶に新しいが、この時に今や上場を果たしたネット掲示板レディットを舞台にしてこれら急騰銘柄の火付け役となった株式投資家が約3年ぶりにXへの思わせぶりな投稿をした事で再度火が付いた格好で、この動きは上記の双璧以外のミーム株にも波及しヘッドホンのコスや上記のレディットも急動意となった。

前回のミーム株相場では、当時ミーム株の筆頭格であり約1年前に経営破綻してしまったベッド・バス・アンド・ビヨンドなど短期で株価が5倍に化けたのも束の間、たった2日間でその株価が半値以下にまで急落するなど熱狂相場を演じたものだが、果たして今回もその再来なるか?前回は個別株のみならず銀などコモディティーにまで投機熱が波及したが、コモディティーといえば高値圏を維持する金にミーム株の急騰はひと際不気味に映るものだ。


資本効率重視の流れ

本日の日経平均は昨日の急反発から往って来いの急反落となっていたが、そんな中でも逆行高を演じていたのが川崎汽船など。この辺は1000億円を上限にした自社株買いの発表が背景にあると思われるが、同社以外でも今月は月替り早々に三井物産が2000億円を上限とする自社株買いを発表し昨日の株価は上場来高値を更新してきていたが、依然として資本効率重視の姿勢が目立つ。

ちなみに昨年の上場企業の自社株買いは初めて10兆円を超えて2年連続で過去最高となっている。手元資金が昨年末時点で100兆円超ということで約1割に相当する額だが、長らくディスインフレ下で増加の一途を辿ったこうした資金をインフレ環境下でどう使うかが問われ、有効活用手段の一つとして手っ取り早く?ROE改善に繋がり易い自社株買いが注目され株数ベースの取得規模も大きくなっているのが目立つ。

確かに東証の要請対応で意識する指標の中でもPBR等は自社努力だけではどうにもできない部分があるが、ROEは自助努力で改善出来る部分なだけに今年も高い利益率が確保されれば自社株買いの勢いは衰えを見せないと推測される。例年決算発表のタイミングで株主還元策の発表は今月に集中する傾向があるが、そういった意味でも半ばにかけて本格化する決算発表で自社株買いがどの程度出てくるのか注目されるところ。


開示の増加と課題

先月上旬の日経紙で「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応に関する開示企業一覧」を掲載した全面広告が載っていたが、そこで「本紙面では東証から公表された開示企業一覧表の内容をはじめ関連トピックについて今後も継続的にアップデートとともに掲載する。」と謳っていた通り、先月に続いてちょうど一週間前の日経紙全面広告にて再度開示企業一覧が載っていた。

ちなみに昨年からの開示状況を辿ってみると、先ずプライム市場では2023年12月末は815社で49%、2024年1月末は899社で54%、2024年2月末で検討中も含め969社で59%となっている。またスタンダード市場では2023年12月末は300社で19%、2024年1月末は325社で20%、2024年2月末で検討中も含め348社で22%と月を経るごとに上昇している状況となっている。

各社その資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応として挙げられているのは配当の増額や自社株買いの実施が比較的多く、他には海外IR(投資家向け広報)の強化や国内IRの強化も次に多いが、この辺は先月末の日経紙にも2023年のIRに関わる人材の求人数が6年前に比べて4倍近くになった旨が報じられていたあたりでも見て取れる。

この同じ日の日経紙では「企業と投資家ともに変化を」と題した別の全面広告も見かけたが、このIRは情報開示だけでなく投資家との対話も担っている。今後は東証の動きに合わせて物言う投資家の動きも活発化してくる可能性があり益々その重要性は増すともいえるが、一方で課題はこれら人材の不足。東証はIR活動を支援する専門部署を立ち上げ企業の負担軽減に動き始めているが、並行してこうしたバックアップ体制も今後益々求められようか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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