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グラウカス・リサーチG第一弾

さて、昨日の日経紙投資情報面には「米空売りファンド、会計処理に異議」と題して、空売り専門の投資ファンドである米グラウカス・リサーチ・グループが会計処理に疑問を呈した伊藤忠商事側の反論が書かれていた。

この件に関しては先月11日に当欄で「空売り界の文春?」と題して、この米グラウカス・リサーチ・グループが日本市場に参入する旨を取り上げ、この時数か月前から日本企業株の調査を始め既に時価総額の大きな企業3〜4銘柄を対象に絞ったとしていたが、果たして第一弾として上記の伊藤忠商事に矛先が向けられた模様だ。

ちなみに同社が先月末に公表した調査リポートでは、コロンビア炭鉱に対する出資持分の価値が著しく低下していたにも関わらず不適切な区分変更によって減損損失の認識を意図的に回避し2015年3月期の当期純利益を課題報告したと考え、東芝と同規模の会計スキャンダルを引き起こす可能性があると指摘、投資判断を新規で強い売りとし目標価格を631円としている。

今週は商社ポストも主力どころの決算一巡を経て冴えない株価となっているが、同社はこれが発表された当日の商いが前日の6倍以上にも膨らみ株価は一時10%安の憂き目に遭っていた。冒頭の通り反論声明を出す同社に、日本取引所グループのCEOも取引自体に問題があれば必要に応じて対応を取る考えを示唆する事態となっているが、倫理的な解釈の違いを何所まで主張出来るのかどうかこの行方が気になるところ。


ポケモン狂想曲

さて、もう世界各地でお馴染となっているスマホゲームの「ポケモンGO」の配信が日本でも先週末に始まり、老若男女を問わず道の至る所でスマホを見ながら進んでは立ち止まる人の姿が見られ既に社会現象になり始めている。

株式市場でも12日に当欄で書いたようにこれに先行する格好でポケモノミクスを囃していたが、本命の任天堂は数日で時価総額が約1兆円も変動するボラタイルな展開で、年初来高値を取った19日は売買代金が個別株として初めて7,000億円を超え東証の売買代金の2割以上を占めたというから凄まじい。

また周辺銘柄もこれに負けず劣らずで、関連複合施設運営のサノヤスHDは5日連続ストップ高の離れ業をやってのけ昨日はミツミがストップ高、またポケモンパンを販売している第一パンまで年初来高値を更新し、ちょうど一週間前には日本マクドナルドHDが株価・時価総額共に約15年ぶりの水準にまで回復している。

しかしマックといえば使用期限切れ問題等の不祥事で2015年12月期まで2期連続で連結最終赤字の憂き目に遭っていたが、見栄えは一気に浮上した格好か。当の任天堂もつい先月まで過去の遺物扱いで年初来安値を更新していたものが上記の通りの大化けと、過去の遺物が転じて新たな収益の大きな種になった格好。今回のポケモン相場は過去の遺産を擁しつつ燻っている日本企業への新たな見方を提供するかもしれない可能性を秘めているか。


3年のモラトリアム

本日の日経平均は大幅続落となったが、そんな中で前場に突飛高が目立ったのは低位系で東証二部の「倉庫精練」は寄り後の数十分でストップ高にまで暴騰し引けでも全市場の値上がり6位となった。この系統では同じく東証二部の「カネヨウ」や「北日本紡績」等も前場早い時間に急騰し商いも共に前日の10倍以上に膨らんでいた。

これらに共通していたのは旧大証単独銘柄で東証と大証が現物株を統合した際に時価総額の上場廃止適用猶予期間に入っていたモノで、本日の日経紙投資情報面でこの辺について取り上げられていたのが材料視されたというところだろうか。

猶予期間が今月末に迫り各々も兼松や東レ、帝人など蜜な部分もあり何等かの対策が出るのではとの期待にイナゴ投資家勢が集結した格好だが、東証の看板を手に入れ3年間のモラトリアムは早く感じたか遅く感じたか、いずれにせよそれぞれの答えが何れ明らかになる。


デリバティブ刷新

さて、今週は連休明けからJPX傘下の大阪証券取引所がシステム刷新し「J-GATE」が稼働を始めた。注文受注してから約定・通知返信までの処理速度は従来の20倍に上がり、取引時間も日中取引が従前より15分早まり、夜間取引も従前より拡大し午前5時半まで延長されることとなった。

これに伴ってデリバティブの上場も4商品が増える事となったが、特にマザーズ先物は鳴り物入りの登場。マザーズ市場はスタートして17年が経過するがこれまでヘッジ手段が無かっただけに、これまで投資対象外としていた機関投資家の参入が見込まれ、また個人も日経ミニ並みの投資資金から参入し易いと期待されている。

ちなみに初日は静かな滑り出しを見せ、個別ではマザーズの代表格であるそーせいグループは前週からの地合いを継いで下げ止まらない展開であったが引け間際に急上昇、全市場値下がりランキングでは1位から7位までがマザーズ銘柄がズラリと並び指数は4日続落となっていた。

これから早晩ETF等の枝葉も広がってゆくのは想像に難くないが、レバ系の創設如何では荒れを予想する向きもある。この辺は構成銘柄如何に懸かって来ると思われるが、それ以前にSQ一つ取っても品薄現物の全てが常に約定可能なのか否か裁定のオペ等も併せて今後に注目してゆきたい。


LINE上場

先週末は周知の通り対話アプリのLINEがNYSEに続いて東証ではれて上場となった。一足早かったNYSEの方は公開価格32.84ドルを27.9%上回る42ドルの初値で好調スタート、これを反映し東京市場も差し引き約670万株の買い気配でスタートし注目の初値は公開価格3,300円を48.5%上回る4,900円で形成となった。

当欄でLINEについて直近で触れたのが先月の2日で「三度目の正直」というタイトルを付け、その約2週間後に日経紙も全く同じタイトルで取り上げていたが、IPO観測が出た当初がまさにSNSバブルだった事で時間総額の急減が云われていたものの、初値ベースでの時価総額は1兆円超えの約1兆290億と今年のIPOで最大規模となった。

任天堂やFリテイリのストップ高など他の値嵩も大騒ぎの資金争奪戦だったが、OLCの時もそうであったように需要が集中する一方で、関連銘柄とされ先駆していたアドウェイズやネットイヤーグループが急落、そしてメディアシークやネオスに至ってはストップ安まで売り込まれるなどの憂き目に遭っていた。

ところでこの後年内のIPOで個人に身近な企業で注目を集めそうなものでは旧国鉄で4社目となるJR九州があるが、このLINEが下期IPOを上手く牽引するや否や通年では昨年並みの100社程度とみられるIPO社数だが、この辺を境として堅調持続するかどうかもまた注目か。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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