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コロコロ社名

さて、昨日の株式市場で全市場値上がり1位となっていたのは50%の値上がり率でジャスダックのグローバルアジアホールディングスであった。第2位のプロルート丸光の38.1%を超える実に50%という値上がり率というのも凄いが、なにせ先週末の株価が24円だったから12円高で堂々の50%となる。

ココもこれまで記してきた仕手系と共によく社名が変わるので有名なところだが元々は豊国産業なる糸会社で、たしか仕手全盛だった時期のアイビーダイワとか、後のプリンシバル・コーポレーションというのを経て、現社名のグローバルアジアホールディングスになっていると思う。

ところでココは先週に証券取引等監視委員会から金融商品取引法違反容疑で関係先を強制調査されている。2013年3月期の転結決算等で資産を不正に水増しした有価証券報告書提出の疑いというが、綱渡りが囁かれる企業は所謂ハコの使命?を背負っているだけに何処も上場廃止基準を常に睨んだ動きをせざるを得ない。縦横無尽なファイナンスを繰り広げ再犯もいわれているだけにそのゆくえが注視される。


上場来高値更新

さて、昨日の株式市場では過去最高値を指呼の間に捉え注目されていたトヨタ自動車株が、とうとう2007年2月に付けた過去最高値8,350円を上回り約8年ぶりにはれて上場来高値を更新してきた。

トヨタ自動車といえば日経紙恒例の年明け特集の経営者が選ぶ有望銘柄において、今年はダントツで1位に選ばれていた銘柄だが、ここに挙がるベスト3なんぞは大方毎年顔ぶれが変わらないにしてもトップ選定がこれだけ市場で注目されると漸く王道モノが当たったなという感じにもなる。

週明けにはファナックを書いたがこれも主力の王道銘柄、ファナックもトヨタも指数への寄与度が高い銘柄だが特に前者は日経平均に、そして後者はTOPIXに響く。共に史上最高値を更新でこうした両輪効果から指数もそれに即した動きになっているが、結実した内部構造の裏打ちを背景にしているだけに見誤らないようにしたいものだ。


古手と新手

本日の日経平均は3日ぶりに急反落となったが、そんな中で全市場値上がりトップとなったのは三光合成がTOBを実施と発表した積水工機製作所であった。ところでこのTOBといえば先週には豊田通商によるトーメンエレクトロニクスのTOBを巡るインサイダー取引で会社員が東京地検特捜部に逮捕された報道もあった。

数あるインサイダーのネタでもTOBは企業破たんと共に旨みのある確実性の高いものからその人気?は衰えないが、素人はその買付処理の甘さゆえ今回のように見つかってしまう例が依然として多い。他に金融商品取引法違反といえばもう一つ、カリブ海の島にある投資会社もPTSを使っての不正売り抜けで数千万円の不正利益を得ていたとして課徴金納付命令の勧告が先週に出ている。

PTSといえばこれまでもマザーの狭間に売買が可能なことで投資顧問や株式専門紙の推奨情報に反応して値を飛ばす事があったが、そうでなくとも板が薄いだけに時として突飛な値動きが頻繁に起こり得る事が多く何時かはこんな新手な金商法違反が出てくるのは予想していたが果たしてという感じ。

とはいえ今回の件でも90銘柄近くの銘柄を食い散らかした挙句に数千万円を得ても、その課徴金は数万円程度とヤリ得感満載。個人の方はそこそこなお灸を据えられたにしてもまだまだ新手なネタは控えており、イタチごっこはこれからともいえるかもしれない。


家具屋姫

さて、今週の株式市場は高値警戒感が燻る一方で下値も堅いといえるが、こんな手詰まりで低位が乱舞する中やはり連日市場の注目を集めているのはジャスダックの大塚家具だろうか。先週26日から始まったストップ高の勢いは週明けも止まらず上限いっぱいのまま大引け、翌日のひな祭りの日にも更に連続ストップ高に迫るも一転急落と乱高下が続いている。

この背景には周知の通り内紛に端を発した今月下旬の株主総会に向けたプロキシーファイトの思惑台頭があるワケだが、これに加えて内輪揉めに付き物の停止規制を見越したカラ売りが急速に入り先週末には久し振りに見る逆日歩34円という近年に無い取組が形成された事も一役買っており、まさに鉄火場となっていた。

それにしてもこの一連の騒動で会長の株式資産もたった一週間で48億円増と倍化したと思えば、一日でそれが28億円も目減りしたりの乱高下であるからやはり創業者は凄い。長女の社長もこんな状況下いきなり配当倍増を発表、上記含めた諸々の株高はプロキシーファイトにも各方面で影響を及ぼす訳で、ほか浮動票への根回しも既に周到とも思えるが勝手に勘繰るになかなかしたたかともいえる。

株価と共に二人の記者会見など高見の見物的にはなかなか夫々の世代が反映されたものであって面白かったが、さて軍配は何方に上がるかのか?株主総会を前にまだまだ株価と共に目が離せない展開で要注目である。


北風政策だったハゲタカ

先週末の当欄で「消えたトラウマ」と題して書いた中でアクティビストとして挙げたのは「村上ファンド」、「スティール・パートナーズ」であったが、先週末の日経紙マーケット面には「元スティール銘柄開花」と題し、過去にこのファンドに狙われた銘柄の上昇が際立っている旨が書いてあった。

そこには一覧表のトップに出ていた名村造船の4倍化や記事の冒頭にあったハイレックスコーポレーションのここ2年での株価3倍増が挙げられていたが、一覧表に見られるアベノミクス期間の上昇以前にもここが目を付けた銘柄は度々取り上げられていた経緯がある。

例えばこの日経紙タイトルで思い出したのだが、今から数年前にもこのスティール・パートナーズが投資した約40銘柄が何れもすこぶる好調な旨の記事を見た記憶があり、その内容は同ファンドが銘柄選定後にこの約40銘柄全てに投資した結果、シミュレーション期間中のTOPIXが約10%下落した一方でこちらは配当を控除しても約25%の利益となったというもの。

最後は東京高裁から濫用的買収者のレッテルを張られヤレヤレの持ち株売却をさせられたスティール・パートナーズであったが、常々どう見ても割安なものに投資するからヘッジは要らないと言うのが彼らの弁だった。アプローチこそ結果的に間違えたものの、基本の選択眼は間違いのない物であったといえ軌跡があるだけにまだ投資のヒントが隠れているかもしれない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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