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ニッチな広がり

昨日に東京金融取引所が発表した5月の株価指数証拠金取引の取引数量は、前月比で83.9%増の97万8,778枚となり過去最高を大幅に更新した模様。ちなみに前年比では465.8%の大幅増加となり、昨年末からは6ヶ月連続で取引数料が増加するなど、アベノミクスを追い風にしてこちらも順調な増加を見せている。

やはり大証が閉まった後でも取引出来たりするなどの利便性も着目されており、ボラティリティが高まってきている昨今などこういった部分は重宝するのかもしれない。また取引高の増加と共に建玉数量も急増しており昨年末からは約2.4倍の水準、通常の先物と違って配当相当額が支払われる等ユニークな特性もありこの中にはじっくり寝かすタイプも多いだろうか。

ただこの辺はどこまで行ってもやはり相場で、配当のパフォーマンスにホレているうちに値幅でヤラれるパターンもまた然り。優待タダ取りのつもりが逆日歩攻めに遭って高い優待になるパターンと一緒で如何にヘッジで回避してゆくか、原資産が同一の商品が山ほど取引可能な今だけにこの辺のストラテジーを考えるのもまた楽しい。


遅レス

本日の日経平均は5年4ヶ月ぶりに15,000円大台を突破、相変わらず活況を呈しているが東電一社で出来高が6億株を超えるなど凄まじい商いである。捌く方もシステム頼みというところになろうが、週明けには野村総研が証券会社向けに提供しているシステムが一時取引所のシステムに接続出来なくなるトラブルが発生していた。

さて、システム障害といえば米国でも米最大のオプション取引所CBOEで、ソフトウェアの不具合から先月には取引が3時間半停止するという一件があった。また昨年でもあのフェイスブック上場の際のナスダックの障害や身売り話までに及んだナイト・キャピタルの事件もあった。これら何れも高速化が負担になってそれに付随するものに起因しているということだが、既にHFTは広く普及しており後退は考え辛く今後均衡をどう測ってゆくのか大きな課題か。

しかし足元でも上記の通り昨今の大商いの影響なのか、最近になって約定が上がってくるのがとてつもなく遅い時がある。出来ているのは画面で歩みを見ていれば一目瞭然なのだが、日計りなど早ければ既に決済完了しているくらいの時間を報告までに要している事例もあり、この辺またぞろ執行リスクがクローズアップされてきている。


戦略的時価総額

さて、週明けも株式市場は騰勢衰えず174.67円高となったが、新興市場も続伸で新興といえばやはり気になるのが週末に触れたガンホーか。本日もストップ高で寄った後にしばらく買う機会を与え、後はお約束のようにストップ高張り付きとここ最近のパターンである。

ところで、ここまでくるとバカにならないのは時価総額。本日は連続ストップ高の暴騰によるガンホー効果で本日のJASDAQ-TOP20上昇率は2割を超えたが、ここ1ヶ月でも数々の名立たる幾つもの名門企業よりも上鞘になってしまった。

この辺は全く畑の違う異業種で比較しても仕方の無いことだが、同じエンターテイメントという枠で並べても時価総額がなんとオリエンタルランドを抜き去り、更に一時は任天堂をも上回る異常?事態となっている。まあ市場は下克上、これが今後恒常化し異常とは思われなくなっても何ら不思議ではない世界である。

しかし株価で測るエンターテイメントの価値というか基準は何処にあるのだろう?スマホゲームより夢の国の方がはるかにそのバリューはあると思うのだがまあその辺は兎も角、今のこんな光景はさながら一寸前のITバブル全盛期の頃の多くの新興企業が奇異な目で見られていた光景の再来のような感覚に陥る。


IPO熱再び

本日は日経平均こそ小幅続落であったが主力がけっこう崩れた分、体感としてはこの下げ幅以上のような感であった。とはいえ連休谷間ということで株式市場の方は軽めの新興市場が活況、先週末に公開価格の約4倍にもなる初値を付けたマザーズに新規上場のオークファンは本日もストップ高の離れ業をやってのけているが、この手では同じマザーズのメドレックスなども終日ストップ高買い気配で推移する有様であった。

斯様に昨今の相場環境の改善を背景に幅広い層の買い意欲が旺盛で、今年1発目のIPOとなった上記のメドレックスなど以前書いたあのJPモルガンアセットの「ザ・ジャパン」絡みでも名前が挙がる始末だが、こうしたオークファンやメドレックス等のIPO関係は昨年末以降では18社連続で初値が公開価格を上回っている。

こうしたことに加えて、一頃は品薄の公募がプラチナチケット扱いで初値がイグジットになりあとはあまり旨味が残っていないのが普通であったが、昨今はチケット入手出来なかった向きでも初値から楽しめる物も多くなり新たなファンを増やしている。

今年の2月に「今年は何社」としてIPOを取り上げたが、IPOインデックスの盛り上がりからスパイラル現象が更に加速する可能性もあり、このGW明けからのIPOも含めてどこまでこの流れが続くのか投資家動向と併せ注目したいところ。


JPXの44年ぶり新指数

さて、JPX(日本取引所グループ)は予てよりTOPIX(東証株価指数)と並ぶ株価指数を年内にも新設と先に報じていたが、本日この辺に関してROE、つまり自己資本利益率だが投下資本に対してどれだけの利益を生み出すかという効率化を目安に上位数百社の銘柄選択をし、その時価総額の増減幅を指数化する方針であることが明らかになっている。

いうまでもなくTOPIXといえばあらゆるもののベンチマーク的存在になっているが、成長企業の株価の動きはなかなかカバーし切れていなく、これらの時価総額変動を指数化するところでこの辺がカバー出来るといい、この手は世界の主要市場でも初めてらしい。

単に新指数登場というだけで片付ける向きもあろうが、今このROEに着目したのはけっこう意味があると思う。というのもこれまでだいだい海外企業のそれが20%前後であるのに対し、日本企業のそれは5%前後と突出している低さが長年に亘って言われてきた経緯があり、これが日本企業の文化とまで指摘する向きもあった。

ところが直近のゴールドマンサックスによる日経平均株価予測上方修正の理由の一つにはこのROE上昇が盛り込んであり、また今迄日銀のETFやらREITやらの直接介入を引き合いにこうした方面への目配り要請も出ていたものだが、先ずはその辺への布石なのかどうか当企業群の株価動向と併せ今後の展開に注目しておこう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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