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久し振りの暴れん坊

本日の日経平均は大幅続伸して高値引けとなったが、今週も日経平均はほぼ続騰で破竹の勢いとなっている。アベノミクスの恩恵に肖ろうと腕に覚えのある投資家は既に昨年から動いているが、彼らを横目で見ながらどう動いたらよいか皆目見当のつかない初心者は投信等という事になるが、この投信といえば話題になっているのがモルガンの「ザ・ジャパン」か。

人気が人気を呼び信託金上限の1,000億円に達した事から先月に新規募集を一旦停止したものの、今月から上限2,000億円に倍増して新規募集を再開。ところがそれも束の間、早くも上限到達予想との事で1週間そこそこでまたまた募集再停止となっている。

それもこれも通常の投信ではなかなか見た事も無い様な基準価格の甘い香りが蔓延しているからに他ならないのだが、その中身が色々な意味で凄い。申し訳程度に優等生的な銘柄も入っているが、多くの銘柄が既に種が吸い上がった一寸前なら堂々の仕手株扱いとなったモノばかり。さすがにこのメンツを見るに基準価格も仕手化しているのにも納得がいく。

こんな物の登場で思い出したのだが、一昔前にはあの山一証券の辣腕勢が絡んでいた新興市場の特定銘柄に絡めた物凄いパフォーマンスの私募ファンド等もあった。2度も瞬く間に募集停止となった上記投信でさえ遥かこのパフォーマンスに及ばないものの、デフレ慣れした向きがバブルと勘違いするほどの昨今の狂宴の中に紛れてこんな物が登場してくるのもそれはそれで新ステージならではの光景と言えよう。


IR模索

さて、先に多くの上場企業の決算関連重要情報がインターネット上で複数の投資家に閲覧されたという件について触れたが、その後の東証など全国5取引所による全上場企業対象の実態調査では、100社を超える上場企業がアクセス制限などの事前閲覧を防ぐ対策を取っていなかったことが明らかにされている。

この手は常に鼬ごっこの部分もあるので果たしてという感じもするが、こうしたディスクロも昨今の相場回復で外人投資家が回帰するなか企業への訪問依頼も格段に伸び、そうした観点からもIRの重要性というのも日に日に増している。

指定替えの問題も控えるなか、今まであまり外へ気を遣わなかった企業もそろそろ重い腰を上げる時期に来ているが、上記の件に関して東証等は上場規則に新たに事前閲覧を防ぐ為のセキュリティー対策を取ることも盛り込む方針とし、また金融庁も該当する非上場企業に対しても、公表前の決算情報等を外部から接続可能な管理サーバー等に保管しないよう通知することにしている。IRの進化もこの辺踏まえて模索すべきだろうか。


より細かい流れへ

本日は日銀の追加金融緩和を受けて日経平均が後場急騰し、実に日中値幅が558円と2011年3月15日以来の大きさとなったが、今日に限らず今週は連日ボラタイルな動きが続いている。高速取引の影響もあって売買も急増しているが、この辺に絡んでは先週末に日本取引所グループが株価の刻み幅を10分の1に縮小する検討に入った旨が報じられている。

来年1月に先ず100銘柄前後で試験的に導入した上で2015年半ばの本格導入を目指すとしているが、場立ちが居た時代からすれば今の4桁やらオプションの価格やら随分細かくなってきたと思うものの、それでも背景にはまだまだ世界の主要株式市場に比べて日本株は株価の刻み幅が大きいと指摘されている事がある。

ところでFXもこうした動きが出てきているが、確かにこのFXなんぞに例えれば低位株でも常時とんでもないスプレッドで取引させられていることになるが、順番並びに慣れている向きは兎も角もFXからの転向組みで初心者など経験が無いだけに素直にこの辺に疑問を感じるのではないか?

既にPTSなどはこうした値幅での取引が可能になっているが、そのPTSは1〜3月の売買代金が7兆円を超え四半期で過去最高を更新と急拡大している旨が報じられている。思えばこうしたところへ揃え国際標準を狙いより一層HFTの誘致という思惑もあるだろう。ブローカーは設備投資と商い稼ぎの天秤となるが、個人もトータルで利便性が向上するのかどうかこの辺は実施が待たれるところ。


未だざる法

本日も株式市場ではテーマ物の循環物色が旺盛だったが、そんなものに混じって業績の修正発表がなされたものも大きくその値位置を変えているものが多い。デイトレ連中も含めこんな決算情報はなんとか人より早く入手したいのが正直なところだが、そういえば今月中旬には20社を超える上場企業決算関連情報等を複数の投資家が公表前に閲覧していた事が発覚し問題になっていた。

連中は、東証の「TDnet」に連動する企業側の同時掲載でスタンバイしていたページに更新通知ソフト等を使い入り込んだらしいが、メジャーな銘柄などお宝情報だけに数百万円掠め取ったケースもあり弛まぬ努力?が報われたといったところだろうか。

企業側もこの手は兎に角担当部署を信用するしかないが、絞込みの難しい印刷関係など昔はインサイダーの宝庫だったこともありこんな新手は次代の流れを感じるが、実質はインサイダー取引ながら規制上では違法とはならずこれまた「やったもの勝ち」なのが現状。諸々の整備は焦眉の急だがその前にも先ずは情報管理の徹底も急務だろう。


日銀出資証券の春

さて、国土交通省の公示地価の発表を控えこのところこれをテコに期待先行で急騰してきたものに含み資産関連の所謂土地持ち企業群があった。ザッと挙げても東京都競馬に東京テアトル、よみうりランドに東京ドーム、それに帝国ホテルや松屋等々簿価の安い資産持ちがけっこう楽しませてくれた。

果たしてこの公示では地価に底入れの兆しが明らかになったものの、所謂材料出尽くし感から週末にかけてこれらは売り先行となっているが、上記銘柄以外にもう一つ含みという観点から急騰し抜群のパフォーマンスを上げてきたものに「日本銀行」がある。

最低単元でも1,000万近くとなり、最近は100万前後日中動く事で腕に自信のある向きしか参戦しないだろうが、此処は美味しいロケーションの土地もさることながら金融政策の一環として国債、ETF等々買い入れたものが今や莫大な利益になっており、その出資証券は昨年衆院解散時の30,500円から一昨日の年初来高値94,000円まで実に3倍以上に化けたことになる。

今月中旬の日経紙には「新・日銀 脱デフレへの道」として特集が組まれていたが、「白」から「黒」への交代劇で今後の政策もこの出資証券と併せ注目されてゆくことになろう。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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