首都圏SM連合
さて今週目立ったニュースといえば週明けの日経紙一面トップに出ていたようにイオンによる食品スーパー事業の再編の報だろうか。今回は資本提携するマルエツとカスミが来年春までに持ち株会社形式で経営統合、イオンと丸紅が共同出資で設ける新会社が株式の過半数を持つ方針という。
この報道で当日の株式市場ではマルエツが急騰し年初来高値を更新、カスミもほぼ年初来高値を舐めにゆく急騰を見せていた。ただ、イオンや丸紅はこれら以外にも彼方此方資本提携をしており、今後もこの持ち株会社への参加思惑で折に触れて物色再燃の動きも出てくるかもしれない。
ところでこんな銘柄の流通再編の光景を見るにふと思い出したのだが、バブル期における秀和が流通再編を掲げてスーパー株や百貨店株等を買い占めした事件。上記のマルエツの発行済株式の25%近くを集めたのをはじめ裁判沙汰にまでなった忠実屋やいなげやその他百貨店まで幅広い買い占めが行われ、急騰した株の恩恵にあずかった投資家も多数居たものだった。
バブルに乗っての舞台だっただけに、ほどなくおとずれる不動産バブル崩壊でこの構想は食い散らかしたまま消耗戦で終焉を迎え当の秀和は外資に買収され、その前に破綻回避策として株を担保に同社に融資したダイエーも今や上記のイオン傘下になっている。時を経てこの騒動時に買い占めに遭った百貨店など近年は再編が進み、今度はスーパーにもこうした波が来ているのを見るにいろいろと感慨深いものがある。