絶対の一品
本日の日経紙東京・首都圏経済面にはホテルオークラ東京が今年8月に本館の営業を終了し約1千億円を投じ建て替えに着手する旨が書かれていた。「今年こそ」と題し飛躍を期して新たな一歩を踏み出そうとするさまざまなシーンを取り上げるというものだが、まさにホテル業界は20年の東京五輪を控え事業テコ入れは待ったなしといったところか。
オークラといえば既にこの建て替えを前にカウントダウンイベントが昨年より開始されているが、従来は商用利用を一切しなかった本館ロビーでの結婚式や、一般開放していなかった貴賓室の宿泊プランなどフィナーレだからこそできる最後ならではのアイデアが随所に見られる。
しかし、日本美術の粋を集結させた建造物が解体されるのは残念ながら、代表的なメニューであるコンソメスープ等の伝統の味は必ず残してゆくと同紙には出ていた。オーキッドルームの所謂「絶対の一品」の一つであるが、かつて顧客に連れて行かれこの美味しさに出逢った時の感動は今でも記憶に残る。
さて、オークラほど大規模ではないにしろ都内では他に外国人需要を取り込む為にホテル椿山荘東京が3期に分けた改装計画をスタートさせ、京王プラザホテルもレストランを改装、過日ヒルトン東京に所用で出かけた際には2階のレストランフロアが改装工事の真っ最中であった。
斯様に新陳代謝が進みつつあるが、かえすがえすもオークラなどあのロビーで格子などを見る度に思い出すのは、このオークラの兄弟分?でかつてあった霞友会館で当時交流のあった人の顔も浮かんでくるというものである。