トレンド反転の解は

さて、厚生労働省が先週に発表した去年1年間の出生率速報値は前年比で約4万3000人減少の79万9728人と7年連続で減少し、この統計開始以来初めて80万人を切ることとなった。ちなみに国立社会保障・人口問題研究所の推計では出生数が79万人台になるのは2033年と予測されており、実際は想定よりも11年早く少子化が進んだということになる。

これらを受け首相は少子化のトレンドを反転させるため金銭的な支援に重点を置いて今の社会に求められる政策を進めてゆくことが重要と発言していたが、先月BIGLOBEが行った子育てに対するZ世代の意識調査では結婚もしたくないし子供も欲しくないが36.1%、結婚はしたいが子供は欲しくないが9.6%と実に45.7%が子供は欲しくないと回答しておりその理由は金銭面以外が42.1%と半数近くに及んでいる。

その内訳として多かったのが育てる自信がない・子どもが好きではない・子どもが苦手・自分の時間を制約されたくない等などなかなかショッキングな内容だ。金銭的な問題が最大の理由ではなくなってきているというのを、金銭的支援に重点を置いて進めている政府・与党はこの政策に対し世論が付いてきているワケではないのを今一度認識すべきか。

以前には内閣府が公表した男女共同参画白書などで結婚や恋愛に対する新たな価値観やら若年層の消極化云々を背景に少子化が進んでいるような話があったが、厚生省が1980年代に行った調査でも20代のおよそ7割が配偶者や恋人がいないという結果だったという。そこから何が見えるのかといえばこの数十年間やってきた少子化対策がほとんど効果が無かったということだろう。はたしてこの難問の解が見つかる日は来るのか?喫緊の課題だ。


関連記事

この記事のハッシュタグに関連する記事が見つかりませんでした。

最新記事

カテゴリー

アーカイブ