山の上ホテル休業入り
本日の日経紙一面の春秋でも触れているが、名だたる文豪が愛し定宿としてきたあの1954年創業の老舗「山の上ホテル」が、建物の老朽化を理由にレストランも含め12日の営業を最後に昨日から休業に入った。再開時期も未定とのことで、支配人曰く「今後再開したとすればまた山の上ホテルらしいおもてなしを提供したい」と述べていたが、さてどうなることやら。
ところで山の上ホテルといえば言わずもがな食通だった池波正太郎も好物であったココの天婦羅が有名だが、いざこのロケーションで食べられなくなると思うと寂しいもの。この天婦羅以外にも全てにレトロ感漂うパーラーのババロアや時代に逆行した固めのプリン、ロングマカロニのグラタン等どれも美味しかったものだ。
しかしたまにしか行かないホテルでもいざ閉館やら休業やらとなるとそこのお気に入りだったメニューが食べられなくなるとの思いで寂しくなる。一昔前なら銀座のホテル西洋銀座、近年であれば開業50周年という節目を前にしてコロナ禍が直撃して営業を終了してしまった九段下のホテルグランドパレスもその類だが、何らかの形でのまたあの味との再開が叶う日が来ることに期待を寄せたい。