埋もれた傑作
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本日の日経紙の「特集」では、大阪中之島美術館で開催されている日本美術の中でも埋もれた傑作に光を当てた「日本美術の鉱脈展 未来の国宝を探せ!」から幾つかの作品が挙げられていたが、伊藤若冲や円山応挙の作品と共に工芸品部門での宮川香山の「褐釉蟹貼付台付鉢」や「氷窟鴛鴦花瓶」など眞葛焼を代表する作品が出ており思わず目が留まった。
この宮川香山も若冲と共に昔から私のお気に入りの一つであり、今から10年近く前だったか日本橋で「超絶技巧・世界を驚かせた焼き物」なるタイトルでこの宮川香山展が開催された時には何度も足を運んだものだった。この展では上記の「褐釉蟹貼付台付鉢」も展示されていたほか、個人蔵のものでなかなか普段見ることの出来ない貴重な品もあったのを思い出す。
宮川香山の作品に興味を持つのは、私の大好きなアール・ヌーボー期のエミール・ガレやドーム兄弟の有名な作品で見られるアプリカッション技法を彷彿させるものだからに他ならない。西洋勢のガラスに対し日本勢は陶磁器で同じ造形物を創り出したという感じだが、冒頭の通りまだあまり知られていないというのも軽い驚きだ。今と違い若冲展もひと昔前はゆったりと観られたものだが、いずれ香山も同じような感じになるのかどうか興味深いところでもある。