さまざまな対決

いつもながら終りが近づかないとどうも後回しになってしまう美術館関係であるが、個人的に好きな伊藤若冲の作品も出品されているという事で過日東京国立博物館にて開催されていた「対決―巨匠たちの日本美術」を観てきた。

しかし、対決といっても何れも日本美術史上に輝く巨匠達、各々の色があるので並べて対決といってもその構成には始めピンと来なかったが、なるほど「静と動」、「現実と空想」、「色と線」等々感性に沿うという部分では個人的にハッキリと軍配が分かれ、なるほどとも思ったりした。

さて勿論のこと伊藤若冲作は見事であったのだが、面白かったのは俵屋宗達作の「蔦の細道図屏風」で屏風の左右を入れ替えても絵が繋がるように構図が計算されているが、これはその約100年くらい前のレオナルド・ダ・ヴィンチ作の「モナ・リザ」が先ず連想されるし、逆に例えば1880年代あたりの中期のエミール・ガレ作に見られたような歌を作品に配する物はその約200年くらい前の本阿弥光悦作の「舟橋蒔絵硯箱」などで既に確認出来る。

何れが意識したか当然定かではないが年代や国を問わず芸術分野でこうした物は多く今回も新たな発見であったが、同じ対決でも斯様な事例の構成でさせるのもまた面白いかなとも思う。


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