値と質
昨日はSBI証券と楽天証券の手数料引き下げ競争の件について触れたが、インテリア業界でも飛ぶ鳥落とす勢いである大手ニトリの数回に亘る先行した値下げに続いて、昨日は「IKEA」(イケア)が来月から初の値下げに踏み切ると発表している。
このイケア、当欄では数年前に日本の特異とされる購買行動を読めるか否かが焦点になって来るかとして採り上げた事があったが、もっと別な背景からいよいよこの業界でも志向に対応した値下げ競争が口火を切ったような格好になったか。
インテリアなどは世帯数の伸びが鈍化しており、成長産業といい切れないだけに値段だけで勝負してゆくのも或る面賭けか。ましてや今迄ブランドの下に胡坐をかいて?元々が値段に見合わない品質で展開していた向きは、こうした勝ち組みに合せて申し訳程度値下げした程度ではそのお得感が一向に湧いてこないのは間違いないところだろう。
そんなわけでこうした現象も先行とか出始めの頃はいいとしても、彼方此方で挙って値下げ追随となるとそのうち割安感だけで売れなくなるのではないだろうかとの懸念も感じるが、まあ勝ち組みで波に乗っている向きは表面的なコスト勝負の中でもどう生き残るかの手段を知っている筈で、今後の勢力図に引続き注目である。