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Oneみずほの功罪

さて、週明けにまたもみずほ銀行でATM約130台が一時使えなくなる障害が発生した。みずほ銀行といえば直近でも先週末に全店の窓口で取引が出来なくなる障害を起こしており、これ以外でも今年の2月から3月に4回のシステム障害が相次いで起きたのも含めて実に今年に入ってからこれで6回目の障害となった。
   
しかしこのみずほ銀行、これまで大規模障害の経緯を辿ってみるとみずほ発足時に起きた旧3行のシステムを接続しようとして起きた二重引き落とし問題などの障害を最初として以降、東日本大震災時から今年の多発した障害まで何故かほぼ10年ごとに大規模障害を起こしている歴史がある。

4000億円以上もの費用を投入した基幹システム全面刷新の稼働開始は一体何だったのか?前回はATMからカードや通帳が戻らないまま顧客を待たせ、今回の障害は回転30分前の情報開示だったというが顧客置き去り感は否めない。おりしも今年の立て続けの障害という事態を重く見た金融庁の異例の長期検査が行われている最中に相次いだこの失態、執行猶予中の再犯に金融庁の今後の出方にも注目しておきたい。


場当たり政策 

周知の通り依然として新型コロナウイルスが猛威を振るっている。先週は国内感染が初めて25,000人を超え各地域での新規感染者数も過去最多更新から感染者数を表す地図は真っ赤に染まる様子がより一層その不気味さを増していたが、本日も全国の重傷者は11日連続で過去最多を記録している。

そんな感染拡大スピードだけに医療機関も対応出来ず自宅療養者も当然ながら最多となっているが、こうした状況下で怖いのは通常であればどう転んでも十分に助かる命が今はそうでなくなってきている現状でとても先進国とは思えない体制になっている事だ。斯様な状況を受けて政府は先週新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言に7府県を追加、その期間を9月12日まで6都府県の宣言も延長する事を決めたが迷走の一言に尽きるだろう。

既に今年に入ってこうした「御触れ」が発令されていた日は実に約9割にも上り、緊急事態の日常化でもはや何の緊張感も無いモノに成り下がっているなかで流行に歯止めがかからない悪循環の構図は変わらず。欧米ではロックダウン期間中にワクチン体制を整えたが、場当たり的な日本は職場接種にしても供給見通しのディスクロが甘く結局混乱した。

コロナに抗えない様を反映してかどうか4-6月期の日本の実質成長率は欧米を大きく下回り、GDPもコロナ前の水準にさえ戻れていない。ワクチン接種が行き渡り経口抗ウイルス薬が実用化するのはいったい何時になるのか?それまでは今後も場当たり的な「御触れ」を発出、そして延長の繰り返しが予測されるがそんな戦略では到底国民から理解も得られないだろう。


アーバンスポーツの商機

さて過日某ショッピングモールに出掛けたが、大手スポーツ店などでは東京五輪のメダルラッシュの影響もあってエントランスから店内のほぼ半分までがスケートボード関連商品一辺倒の構成になっていた。それもそのはず事実この五輪で新たに採用された所謂「アーバンスポーツ」関連では売り上げが各所で倍増するなど効果が顕著に表れている。

東京五輪の閉会式ではBMXがパリの街を走り、ブレイクダンスなどの紹介映像も流れるなどこうしたアーバンスポーツへの関心も今後世界的に益々高まってゆくのは想像に難くないが、今回の東京五輪では先に書いたようにスポンサーの費用対効果に誤算が生じた部分があったものの、今後のマーケット拡大を見据え企業も水面下で動きが見られる。

上記のブレイクダンスは次期パリオリンピックで正式種目に採用となるが、今年は世界初のダンスのプロリーグである「Dリーグ」が開幕し日本一の決定戦を行っている。立ち上げたのは化粧品大手コーセーや音楽のエイベックス、セガサミーHD等々で、タイトルスポンサーを務めたのは第一生命と錚々たる面々である。これら運営への参入はスポンサーとはまた毛色を異にするが、長期的視野で若年層への訴求を図っており新たな切り口が垣間見られる。


逆行相場

さて、2018年にコインチェックから580億円もの暗号資産が流出した事件がいまだ記憶に新しいが、直近では分散型金融関連サービスを手掛けるポリ・ネットワークからこれを上回る過去最大規模の約6億ドルの暗号資産が流出した事件が世間を騒がせていたが、この半分以上が返還された件が先週報じられていた。

斯様に依然として暗号資産を取り巻く脆弱性を突く報が絶えないが暗号資産といえばもう一つ、米議会で審議が進むインフラ投資法案では財源として暗号資産取引の課税を強化する案が浮上しこの米インフラ投資法案は10日に米上院を通過したが、暗号資産はこれらネガティブな報にも抵抗力を見せ逆に堅調地合いを継続させている。

主力のビットコインは5月中旬以来の高値を付けて5万ドルの大台を舐めに行く勢いで、これ以外のドージコインまで一様に堅調相場を展開させており暗号資産市場の時価総額は再度2兆ドルを上回って来ている。ネガティブな報に逆行する相場は逆にいえば業界が議会に認知され政府による課税対象として取り上げられるまでに成長した証左とも捉える事が出来、疑心暗鬼な投資家にも一定の安心感を与えたのは想像に難くないか。


不毛の寄付か

本日の日経紙・底流には「勝者なき財源争奪戦」と題してふるさと納税を取り上げ、同制度も地方の総体としてみると制度の恩恵より負担が大きい状況となっておりならしてみると全体のパイが縮小するマイナスサムの競争は不毛でしかないとの意見が書かれていたが、依然として個人の人気は高く先月末に総務省が纏めた昨年の寄付総額は約6725億円となっていた。

実に寄付総額は前年度の1.4倍に増加し過去最高を記録、その寄付件数も制度開始以来12年連続で最多を更新とこちらも記録を伸ばしている。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「巣ごもり需要」を背景に各地の返礼品を楽しむ寄付者が増えた結果だが、其の内容も寄付形態も日進月歩の多様化で選択肢が飛躍的に広がった影響は大きいだろうか。

一方で冒頭に関わって来る事だが、21年度の住民税控除額は都市部住民が返戻品目当てに地方に寄付するケースが多く前年度比1.2倍の約4311億円とこちらも過去最高となっていた。賛否両論喧しいが医療従事者支援や被災地支援などの返戻品で寄付総額を押し上げた部分もあり新常態へと少しずつ変化している中身にも引き続き注目してゆきたい。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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