108ページ目   雑記

対象ブランドの差

さて、ふるさと納税などこの季節多くの自治体からシャインマスカットの予約受付の案内が喧しいが、昨日はこのシャインマスカットの苗を開発者である農研機構の許可を得ずネットで出品し販売したとして、改正種苗法が施行されて以降初めて会社員の男を同法違反の疑いで逮捕した旨のニュースがあった。

ブランド農産物を巡ってはこれまで何度か取り上げてきた通りで、上記のシャインマスカットはもとより青森のブランド林檎「千雪」の苗木が中国のネット通販サイトで売られていたり、韓国ではカーリング女子のもぐもぐタイムで有名になってしまった日本独自に開発したブランド苺はじめブランドミカンがもう何十年も前からパクられ流通しているのが現状だ。

日本が数十年かけて開発してきた宝の苗がそれこそ人のパクリしか能の無い連中にわずか100円以下程度の値段で売られているのは本当に心が痛むが、これらが既に大量に生産され廉価販売の流通体制も整っているだけにオリジナルを訴求してゆく障壁にもなろう。自家増殖の絡みで生産者の逡巡もあっただろうが、遅きに失した感のなかでもやはり確実なブランド保護は喫緊の課題で今後もその監視体制が問われようか。


制度改革進展と共生感

今週は株主総会がピークとなるが、先週に行われた注目の東芝の定時株主総会では会社側が提案した取締役のうち永山取締役会議長含む2名の選任案が否決されることとなった。4月に会社を追われた?車谷前社長が上場廃止派ならこちらの永山会議長は上場維持派で知られていたが、これで両派何れもが退場の事態になってしまった。

更には株主総会で選任されたばかりの他社社外取締役も務める投資銀行出身の取締役も新任早々辞任が申し出されるなど大混乱とも言える絵図に。同氏の辞任の背景には上記の永山会議長の手腕を評価しており今回の同氏の選任案否決が大きく関係しているとの事だが、コーポレートガバナンス改革舵取りの同ポストの人材探しは困難を極めるか。

というワケで東芝は近日中に臨時株主総会を開き新しい取締役人事案を提案する見通しだが、原点となった禁断の大型増資で群がったアクティビストとのいばらの道は続く。しかし東芝はもとよりアクティビストが株式を保有する割合は日経平均採用企業で5割を越え、提案を受けた企業も1月から直近迄で20社を超えている様は一昔前のハゲタカ呼ばわりされた時代から隔世の感があり今やどう共生を図るかが意識される時代になっている。


双子パンダ

さて、周知の通り今月の4日に妊娠の可能性があることが発表され展示が中止になっていた上野動物園のジャイアントパンダ「シンシン」が、日付が変った深夜に無事に2頭を出産した。この上野動物園では4年ぶりとなるパンダの誕生で、双子というのは初めてのことであり前回のシャンシャンに続いてまたも6月の誕生となった。

早くも何時一般公開になるのか気になるところだが、29年ぶりの子パンダ公開となった前回は両親が中国から貸与された直後の11年度から6年ぶりに450万人を超えたものだったが今回はどうか。しかし思えば両親のシンシンとリーリーの返還期限は今年2月だったものが令和8年まで延長されているが、従来の返還期限の翌月のおめでたであったから実にラッキーであった。

ところでパンダ出産といえば関係者が気になるのは所謂「パンダ銘柄」ということになるが、やはりというか双璧の精養軒と東天紅はいずれも買い気配でスタートしたものの、あと東天紅は寄り天の格好で両銘柄共に大引けは安値引けとなっている。この辺は妊娠報道の際に一度相場を作ってしまったので止む無しという感もあるが、何れにしてもこのコロナ禍の沈滞ムードのなかで光る嬉しい報であったのは間違いない。


鉱山株彼是

先週の日経紙・グローバル市場では金鉱株の米ニューモントやカナダの金鉱大手バリック・ゴールド、また新興国でもパラジウムで4割のシェアを持つロシアのノリリスク・ニッケルや南アフリカのプラチナ大手アングロ・アメリカン・プラチナ株などいずれも5月まで上昇基調であった世界の鉱山株が軒並み調整している旨が出ていた。

鉱山株といえば著名投信の組入れ対象としても定評があり、例えば南ア・オーストラリア等の金鉱企業株式を主要投資対象としたブラックロック・ゴールド・メタルなどその上昇率から投信ランキングで度々取り上げられてきたものだが、昨日の住友金属鉱山の年初来安値更新にも見られる通り商品の一服と共に調整色を強めている。

ところで鉱山業界といえば南アのインパラ・プラチナムがカナダのノース・アメリカン・パラジウムを買収したり、中国の紫金鉱業もカナダの金鉱会社コンチネンタル・ゴールドを買収したりとM&Aが粛々と進行しているが、直近で銅相場高騰の牽制を露わにした中国もかつて資源安を好機に積極化してきた経緯がありその先の展望が気になるところでもある。


完全オンライン化へ

さて、この時期彼方此方の企業から定時株主総会の招集通知が届くが、今年は殆どが緊急事態宣言下にあった事で当然乍ら昨年に続いて招集通知にもかかわらず今年もまた「新型コロナウイルス感染拡大防止及び皆様の安全・安心の観点から株主総会当日のご来場をお控えいただくようお願い申し上げます。」等の一文が封筒に記されて企業が殆どであった。

斯様な事情から株主総会のオンライン化が課題となっていたが、これまで総会は会場を設置する事を条件にオンラインで行われるのが認められてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ改正産業競争力強化法が参議院本会議で可決・成立した。これによって国の事前確認を受ければ完全オンラインの形式で株主総会が開催出来るようになる。

こうした事で今年の総会ではこれに絡んで定款変更議案を諮る企業も少なくないが、感染症対策はもとよりこれまで何度となく言われてきた僻地開催企業への参加のハードルが無くなるなどメリットも多い一方、セキュリティ含めた通信インフラやなりすましの問題も課題になってくるが、何れにしろこれも以前より議論されていたものの踏み切れなかった件がコロナ禍で背中を押された事例と言えこうしたチャンスは生かしてゆきたいもの。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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