112ページ目   雑記

日銀の布石

さて本日の日経平均は半値戻しの急反発となるも、世界的な金利上昇を背景に2月の最終売買日となった先週末の日経平均は1200円を超える急反落となり2016年6月24日以来約4年8ヵ月ぶりの大きさとなったが、今月に入ってからのマーケットでは下げ相場の中で日銀によるETFの買い入れがぱったりと止まった旨でにわかに話題になっている。

事実、日銀はここ約5年ほど前場のTOPIX下落率が0.5%を超えた日は必ず買い出動してきた経緯があるが、先週末の日経紙には今月に入ってから18日、19日、そして直近では先週24日と前場のTOPIX下落率がいずれも0.5%を超えたにもかかわらず日銀に動きが見られなかった旨が書かれていた。

この辺の背景には来月の決定会合で公表予定の「金融緩和の点検」を巡って、ETFの買い入れ減額を視野に入れた柔軟化措置などが含まれる政策対応等への布石との見方も一部に出ている。当欄では丁度1ヵ月前に「残高増と出口論」と題しインフレ目標は未達乍ら更に残高を積み上げる状況ではなくなっており出口戦略についての議論は続くとしたが、リスクプレミアムが縮小するなかまさに保有構造の正常化に向けた節目に差し掛かったといえるか。


コロナ禍どこ吹く風

さて先週の日経MJ紙の一面を飾っていたのは「富裕層は揺るがない」と題して、新型コロナウイルスの感染が拡大したこの1年でも日経平均株価が3万円の大台を回復するなど株高による資産効果が富裕層の消費マインドを後押しし、個人消費が弱いといわれているなかでも高額消費が堅調な旨の記事であった。

ここではそごう・西武が昨年開催した富裕層向けの催事「高輪会」が取り上げられ、現代アートやダイヤモンドのルースなどが売れゆきも良く前年同月比20%増の売り上げになった旨や、高級輸入車の売り上げも昨年は1000万円超の高級車が前年比0.5%増となり5年連続での前年超えとなった旨が書かれていたが、不動産もまた然りで億の桁のマンション市場も即成約が多く不況知らずという。

ところで斯様な億ションなど私には無縁の存在だが、今月は「三越 春の逸品会」に招待されたので過日ニューオータニに出向き選りすぐりの品々を観てきた。エントランス付近に置かれたクルーザーやプライベートジェットの案内を横目に見乍ら、アールデコのガラス工芸品からペルシャ絨毯含めた店舗ではなかなか見られないような一点モノの伝統工芸品の逸品を十分堪能する事が出来た。

また高輪会よろしく店頭では見た事もないような大粒ダイヤのルースも目の保養になったが、印象的だったのは外商さんがズラリと並ぶ独特な雰囲気のなか会場内の各ブースは成約した顧客でごったがえし混雑を極めていた光景か。何かこうコロナ禍で制約されてしまった従前消費の鬱憤を晴らすが如く高額消費にぶつけている感もあり、まさに「富裕層は揺るがない」を目の当たりにした一日であった。


時価総額1兆ドル突破

さて、先週からビットコインの乱高下で市場が喧しく本日は仮想通貨関連銘柄のシンボルストック的なポジションにあるマネックスGやセレスなど直近でのビットコイン急反落を受け軒並み急反落となっていたが、一昨日の週明けはセレスがストップ高で年初来高値と同時に上場来高値を更新するなどこれらは一斉に急反発となっていた。

これらの背景になっていたのが周知の通りのビットコインの急騰で先週末にはその価格が初めて55,000ドル台を突破し史上最高値を更新、結局週間では11%強、月初からでは6割強の上昇となっており活況な市況を背景とした仮想通貨取引の売買が今後も膨らむとの見方からこれらの人気に連動する格好で関連銘柄が再度蒸し返された構図だ。

その時価総額も先週は予てよりこの大台がETF承認条件の一つともいわれてきた1兆ドルを遂に突破することとなったが、北米で初の承認を受けたパーパスインベストメントのETFの資産運用残高は上場後わずか2日で4億2180万ドルと目覚ましいスタートを切る事となり、続いて翌日には別の「EvolveETF」もはれて上場の運びとなった。

またこれに続いて同じくカナダの金融会社CIファイナンシャルも小会社を通じビットコインETFの予備申請を行ったほか、デジタル資産運用の3iQも予備申請を行っているが、JPモルガン・チェースはじめとして懐疑的な見方が燻り続け要人の一言で20%以上も変動する現状はたして新たな成熟の段階に入ったのか否か今後もこれらETFと併せその動向には注目しておきたいところ。


ペコちゃん社外取締役

さて、来月の決算に向けて各企業が発表する決算・人事情報が各紙で取り上げられているが、これに絡んで先週目に留まったのがペコちゃんで知られるところのあの不二家の取締役に女優の酒井美紀氏が就任するという件か。これまでの同社アンバサダーの経験を買われ来月の株主総会の承認を経て就任予定の運びという。

ところでこう言っては一寸失礼かもしれないが、この報で思い出したのがもっと有名?なところで昨年の6月にあのハリー・ポッターシリーズのハーマイオニー役をやっていた女優で近年はアクティビストで話題なエマ・ワトソンが、グッチやサンローランなどを傘下に展開するケリング社の取締役に就任した件か。

それは兎も角も近年こうした女性の社外取締役を巡ってはコーポレート・ガバナンス改革を背景に社外の優秀な女性人材を迎える動きが広がってきており、不二家のような東証一部上場企業に在任する女性取締役は昨年日経紙が報じたところによれば前年比で22%増加したという。

折しも直近では東京オリンピック組織委員会の森会長が女性蔑視の失言で炎上、多様性に反するとして辞任に追い込まれた経緯があるが、斯様に投資家や株主の圧力が高まるなか企業側も多様性の観点から彼らに説明がし辛いなかでこれらを重視せざるを得ない空気になってきている証左だろうが、一方では女性の社内取締役は微増にとどまっておりこの辺のハードルが変ってゆくのか否かも今後の注目点か。


実需への期待

さて、先週は米株式市場でダウ工業株30種平均が3週間ぶりに史上最高値を更新した裏で仮想通貨のビットコインもまた史上最高値を更新していたが、その切っ掛けとなった一つにあのテスラがビットコインを15億ドル購入した件がある。現金運用先多様化との事だが近く商品代金決済をビットコインで可能にする方針もあり、実に90兆円ともいわれるビットコインの経済規模を取り込むのがテスラの目的ではないかとの観測もある。

このテスラの報道に続いて米大手銀行バンク・オブ・ニューヨーク・メロンもビットコインを中心とする一部暗号資産を顧客が保有・送金・発行するのを支援する部門を新設すると発表しており、先駆したペイパルやスクエアなど関連株がこの一連の報道で再度物色され当のビットコインも実需への期待から先週末にかけ連日で史上最高値を更新していた。

ビットコインなどの仮想通貨に関しては予てより決済手段としての活用が広がるという実需の期待があるものの、今回の件でも明らかなように影響力の大きい企業や経営者の一声で10%以上の急騰を僅か数十分で演じるなど価格安定性には依然として疑問符が付き、直近では北朝鮮による交換業者等への攻撃で推計3億ドル以上が奪われた事件も明らかになっている。

悲願のETFもこれまで数社が申請を試みるも上記のような理由からことごとくSECに弾かれたり自ら申請を取り下げたりしているが、今後は果たしてこうした大手の後追いで日米大手なども追随してくるかどうか、またそれらによる一般への浸透で実需の成熟化が適うか否かも今後派生モノ含めキーとなって来ようか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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