116ページ目   雑記

サイダーとガバナンス

さて、当欄では昨年の11月にドン・キホーテがファミリーマートにTOBを仕掛けた際に当時の社長が知人に自社株の購入を不正に推奨した疑いで東京地検特捜部が動いている旨を取り上げたが、先週に行われた初公判の罪状認否ではその起訴内容を認め知人へのストロングレコメンドであった事が明らかになっている。

末尾では同氏の突然の退任もこの辺が絡んでいたのか否かと書いたが、トップがインサイダーに関与するというレアケースであった。インサイダー取引といえばもう一つ、先週の日経紙法務面にもデンソーとの業務提携に絡みマザーズ上場のモルフォ株を巡るインサイダー取引訴訟の判決も注目を集めている旨が出ていた。

こちらも元役員から従業員持ち株会に目を付けられた社員まで複数名対象となっていたが、一審では金融庁の認定が全面的に否定され一律の線引きに待ったが掛かった格好となった。今後の経緯が注目されるケースだが、何れにせよ企業側のこの手の規制に対する更なる周知徹底含めガバナンス体制の強化が今後も益々求められようか。


あれから10年

毎年この時期には防災啓蒙が活発化してくるが、本日で東日本大震災からちょうど10年が経過した。昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で政府主催の追悼式が中止となり自治体主催の追悼式も同様に縮小ないし中止を余儀なくされるところも多かったが、今年は参列者を減らすなどコロナウイルス感染対策をとったうえで2年ぶりに開催された。

昨年は丁度この時期にコロナパニックで株式市場が暴落、大震災による原子炉のメルトダウンで当時の株式市場がパニックになったのを思い出させたものだったが、今年は先月起きた福島県沖の大きな地震に加え、先のみずほ銀行の大規模なATMトラブルも大震災直後に義援金の振り込みが集中した事によるシステムトラブルを思い出させ、何やら3.11を決して忘れてはならないと節目で暗示されているようにも感じるのはいささか考え過ぎか。

ところで上記の義援金といえば以前はこれが主流であったが近年では被災自治体へのふるさと納税やクラウドファンディングも定着しつつあり、某大手ふるさと納税サイトからは約30の災害で累計70億円の寄付金が被災地へ届けられたという。まだまだ永続的支援やコミュニティーの再構築等々課題を挙げればキリが無いが、私たちに出来る事を永続的に続けてゆきたいものだ。


金融分断

本日の日経紙金融経済面には存在感低下が指摘されてきた英が上場誘致の背積極化に乗り出した旨が出ていたが、英金融といえば先の日曜日の同紙にもEU離脱で事業の前提になる規制が変わりEU投資家離れなど金融分野の英国側への影響が如実に表れた事で金融取引のシェア低下に直面している旨が出ていたが、シティーの地位低下が英経済や世界のマネーの流れに及ぼす影響が懸念されている。

同頁にもCBOEの集計データが出ており、欧州株の売買占有率において昨年末には43.5%と2位の13.9%のフランクフルトを大きく引き離し首位に君臨していたロンドンであったが、完全離脱後の今年1月の同データでは21.7%とほぼ半減し4位だったオランダに首位の座を明け渡している。

英とEUの間で金融機能の分断が進行すれば域内全体に負の影響が及びかねないともいえるが、分断といえば一方でアジアでは米中対立の影響からIIPO企業が上場先として香港を選ぶ動きが顕著になり、米政府の制裁を受ける中国企業にも本土からの買いが膨らんだ事で香港取引所は純利益が過去最高となった模様。金融分断を巡っての明暗模様とも取れるが、何れにおいてもリスクとして燻り続けるという部分は否めないところで今後もこの辺は注視しておきたい。


ジェンダー世界標準への道

さて、昨日は米ニューヨークで1904年に実施された婦人参政権を求めるデモが起源とされる「国際女性デー」であったが、この日はヨーロッパの一部では日本の所謂「母の日」という位置付けの国もある。日経紙でも特集ページでは各所女性トップの対談や企業の全面広告等と共に日本の男女格差を取り上げグローバルでこれらを是正するうねりが起きている旨も出ていた。

その中で意思決定の場に女性を増やすとの項があり欧米企業のケースが幾つか出ていたが、当欄でも先月に女優の社外取締役起用を取り上げた際に末尾でこの辺に触れている。この日の一面にも「女性役員、2年で1.6倍」と題し主要企業で女性社内役員は2年で1.6倍に増加し、先に触れた社外取締役として起用する例が大半だった日本でも生え抜きの女性役員が増え始めた旨が出ていたが、それでも上記の欧米のケースに程遠い感は否めない。

先に東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長による女性蔑視発言が炎上し辞任にまで追い込まれた過程ではスポンサー企業が不快感をあらわにした旨がニュースになっていたが、既にこれらの企業ではジェンダーに関する配慮はビジネスにおいて常識となっているという証左で上記の件に絡んでも今後の各社の取り組み姿勢に期待したいところ。


自販機彼是

さて、一昨日だったか朝のニュース番組にてこのコロナ禍で人と接触しないというところに主眼を置いた自販機が続々と登場している旨が放映されていたが、その内容も様々でやはり今の時世を反映してのマスクから営業時間の制約などを背景にしたラーメンなど今ならではのユニークなモノが見られる。

また蜜になり易いイベントものに絡んでは先のバレンタインの時期に新宿高島屋のエントランスにてカカオサンパカの自動販売機が登場したのが話題になっていたが、昨年宮下公園がリニューアルしオープンした渋谷MIYASHITA PARKではこれと似た感じでホワイトデーまでの期間限定で真珠のアクセサリー類の自販機が設置された模様だ。

話は飛ぶが以前ドバイに行った際に「金」が自販機で売られていたほか、別の自動販売機ではジュースを買ったところ搾りたての果汁に皮付き生オレンジが入っていたのに感動した覚えがあるが、虎ノ門ヒルズビジネスタワーでも生食用の牡蠣や車エビの自販機が登場した模様で日本でもこの手のモノが自販機で買えるようになってきたか。

自販機メーカーの業界団体によればこのコロナ禍で外出自粛が続くなか、足元の自販機の出荷台数は例年の7割程度まで落ち込んでいる旨を目にした事があっだが、そうしたなか斯様に新形態で需要を掘り起こそうという動きが広がり始めている。上記の自販機はいずれもタッチ決済だが、現在開発中のモノもAR技術を駆使した自販機からスマホ購入で取り出し口も自動開閉の完全非接触自販機も登場予定という事で今後も要注目というところか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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