輸出額目標の足枷

ちょうど今頃が最盛期を迎えるシャインマスカットだが、昨日の日経紙総合面には「中韓の生産、日本上回る」と題し、日本発のブランド品種である高級ブドウ「シャインマスカット」が流出先のお隣の韓国などで輸出額が日本の5倍超に膨らむなど輸出の主力となり、またこの栽培面積が日本は1200ヘクタールなのに対し韓国はこれをも上回り中国に至っては5万3000ヘクタールと桁違いになるなど海外流出が深刻さを増している旨の記事があった。

韓国といえばこのシャインマスカットに限らず、糖度60度を誇るブランドさつま芋「紅はるか」もまた正式に輸入されたものでないにもかかわらず陳腐なネーミングを施された上に生産者量の4割を占めるまでになってしまっている。他にも平昌オリンピックでカーリング女子が食べていた事から有名になってしまったイチゴもまた流出した日本のブランド苺であった。

当欄では6月にも改正種苗法が施行されて以降初の逮捕者が出た報を取り上げたが、暗号資産よろしく一度流出するとその追跡は難しく今なお中国のネット通販サイトなどではブランド林檎の苗木など多数が出品されているのが現状。上記以外にも標的になっている日本発ブランドが多数リストに挙がっており、その実効性には課題が多く残されているか。

日本政府の農林水産物輸出額については19年の当初目標は未達であったが昨年は9217億円、今年については米など経済回復国中心に日本の農産物需要の高まりで1~6月期で5773億円と昨年比で約32%の増加を見せているが内訳はホタテ貝の前年比2倍や牛肉の同2.2倍などが貢献した結果。折角のこうした環境が背景にあるだけに冒頭のような流出モノが蔓延る状況がこれらの足を引っ張る事の無いよう一層の監視強化は喫緊の課題でもあるか。


関連記事

この記事のハッシュタグに関連する記事が見つかりませんでした。

最新記事

カテゴリー

アーカイブ