148ページ目   雑記

戦線拡大事情

さて昨日の日経紙企業面では「ユニゾTOB混迷増す」と題し、旧興銀系の不動産会社ユニゾホールディングスを巡るTOBにおいて当初のHISやフォートレス・インベストメント以外にも複数の投資ファンドが短期間のうちに次々と同社をターゲットにする異例の展開を見せている旨が書かれていた。

同社に関しては8月にもTOBを仕掛けていたHISに株主からの応募が無く不成立となった旨に当欄でも触れていたが、当時ホワイトナイト的存在であった米投資ファンドのフォートレス・インベストメントも買い付け期限を4度も延長する過程で両者間での条件面での対立が浮上するややこしい展開となっている。

ブラックストーンなど後発組の買収提案賛否についての回答期限が迫っているが、金融経済面にも出ていた米エリオットなども積極的に質問を経営陣に突きつけるなど何れもイグジットを睨み活発化してきている。その背景には運用成績停滞という焦りも一部あるとみられるがこれらが複雑に絡み合い今後も戦線拡大は想像に難くないか。


増税後初の密輸

さて、10/24付ゴールドニュースでは福岡空港を経由して韓国・仁川から金塊計9.5キロをカートのフレームの中に隠すなどで密輸しようとしたとして、福岡県警や門司税関は関税法違反の疑いで韓国人を逮捕した旨が載っていたが、利鞘狙いのこの手のケースでは消費税10%になった増税後では初の事例となった。

金密輸に関して前回触れたのは昨年5月の約32億円を荒稼ぎした金密輸団の事件であったが、これもたしか韓国人グループであった。約32億円の稼ぎといえばその売却額は実に約400億円にものぼる計算だが、近年はLCCのアジア便が増加し運搬コストも下がり摘発されても消費税罰金相当の納付で済む緩さが日本を主戦場にしている。

全国の税関ではこの増税を前に金密輸への警戒を強めていたのは想像に難くないが、昨年の罰則強化で引き上げられた罰金も上記の韓国では10倍で金塊没収という現状を考えればまだまだ旨みのある市場という位置付けは不変で財務省など関係各所の対策は急務だろうか。


全てが高い

先週末の日経紙夕刊マーケット面には「全部高相場 勝者は株式か」と題し、米市場で原油先物と金先物価格、通常では逆の動きをする株価指数や債券指数がFRBの利上げから利下げ方針への転換を背景としていずれもが揃って大きく上昇する全部高相場が起きている旨が書かれていた。

教科書的に株式などのリスク資産と逆相関とされる金の同時上昇現象に絡んでは当欄でも先月上旬に一度取り上げているが、この時は基軸通貨ドルとも逆相関を覆す同時並走現象も珍事として取り上げていた。

今回はこれに加え好不況時において逆相関の関係になる株式と債券の同時上昇もケースとして挙げられていたが、緊張が続く米中両国関係やFRBの金融政策方針の転換等を背景に中央銀行の動き等も睨んで、近年では斯様に教科書的相関関係が崩れつつあるだけにパラダイムシフトがより一層進行しようか。


サンマ>鯛

さて、台風19号の影響で先週など心なしか品揃えが少ないようにも感じたスーパー等の鮮魚売り場でも辛うじて痩せ気味の生サンマが売られていたが、台風如何に関らず先週末の日経紙春秋でサンマが不漁で天災級の事態といった旨が書かれていた通りとりわけ今年のサンマは品薄だという。

この辺は先に水産庁が今年のサンマの漁獲量が海水温の上昇や海流の変化など海洋環境の変化等を背景に、前年同期の13%にとどまる7060トンと過去最低を記録したと纏めている。そんなワケで豊洲ではキロ当たり実に1400円前後となり1000円前後のマダイを上回る高値で売られるという珍現象が起きている。

当欄でサンマが異常な高値になったを書いたのは猛暑の異常気象が影響し水揚げが極端に減少した9年前が最初であったが、その後もアジア周辺諸国の漁獲量急増が言われだし高騰した4年前もこれを取り上げている。漁業情報サービスセンターでは中旬以降日本近海でサンマが近づくと予想していたが、はてどうなっている事やら慣れ親しんできた大衆魚がまたも遠のくか。


ゼロコストの波

一昨日の日経夕刊一面には世界経済の先行き不透明感が高まるなかで、株式の短期的下落に備えたい投資家の需要を背景にデリバティブを活用した投資信託が増えている旨が載っていたが、投信といえば投資家が運用手数料を払わずに済むゼロコストの投資商品が世界で広がっている旨もその前の同紙に載っていた。

この辺に絡んでは当欄では先に主な運用会社10社の2019年3月期において実に7社が最終減益となった旨を書いていたが、その背景には上記のような世界で広がるゼロコストによる運用会社の低コストの逆風の影響が大きい。この時はパッシブ型運用の手数料が大幅に低い旨を書いたがこれも近い将来年0.12%まで低下するという。

こうした傾向はアクティブ型も然りでETF等のライバルの台頭が脅威となってくる。或る意味証券において対面分野はガラパゴス状態であった本邦も委託手数料完全自由化から20年、投資家の恩恵の裏で斯様な投資コスト急低下の波が今後業界の合従連衡を活発化させるトリガーとなり得る可能性が無いとも限らない。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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