157ページ目   雑記

非公開市場

さて、本日小反落で引けた二部の松尾電機が回路保護素子の新製品を開発した報を囃しPTSでストップ高と急騰しているが、取引所を経由しないPTSのような私設モノに関して先週の日経紙には会員の中で投資家の取引注文をつき合わせるダークプールの実態把握に金融庁が乗り出した旨が載っていた。

FX業務も所謂デスクというヤツがあったが、ダークプールの利点としては株価に影響を与える大口注文でも他の取引参加者に晒されずに売買出来、価格の刻み値を取引所に比べて小さく出来るためにより有利な価格で売買出来るというのが特徴とされているがはたして成立価格が本当に有利なのか、また個々の認識の下で執行されているのか等々も点検の方向と。

ところで一部投資家によっては上記のような利点より売買の秘匿性を重視するというケースもあるようだが、仮想通貨も大口注文で他の取引参加者に晒されずに売買出来る事でこのダークプールが使用されているケースがあるようで、同時に更に秘匿性も高くなってくる事でその辺含めこれが今後どう捉えられてゆくのか金融庁の動向と併せ注目される。


地方証取の課題

昨日は東日本大震災から8年という事で改めて防災全般が意識される日であったが、本日の日経紙金融経済面には「地方証取 災害に備え」と題し、昨年9月の地震で終日取引を止めた札幌証取や福岡証取などが災害時の影響を最小限にするための体制づくりを急いでいる旨が載っていた。

この札幌証取に関しては昨年当欄でもブラックアウトと題し札幌証取のBCPが機能し無くなった旨を取り上げたが、地方証取といえどもスター的銘柄が存在しており差し詰めこの札幌証取のケースでは売買代金の実に9割を占めるあのRIZAPなどがそれに当たるワケで地方証取とはいえ何かのイベントなどと重なっていたら大変な事態になったとも限らない。

この時の件を踏まえ札幌証取は昨年末にBCPの更新を行い今年発生した地震時には昨年のような混乱は免れる事となったが、何れにせよ金融庁の要請等々もあって今後を見据え重複上場などが課題になって来るケースがあるかどうか、監視業務代行やシステム連携など東証が担う役割も益々重要になってくる。


あれから8年

毎年この日には一部小学校などで防災啓蒙の為各種の非常食が配られるのが恒例になっているが、本日で東日本大震災からまる8年を迎える。ちょうど一年前に当欄であれから7年として触れた時点での避難者は前年から約4万9千人減少の約7万3千人であったが、今年は更に減少したとはいえいまだ約5万2千人が避難生活を続けているのが現状だ。

銀座では無きソニービルの壁面に津波の高さを表示したヤフーの広告がかつて掲げられた時期もあったが、同社は今年も3.11の検索で復興支援団体に10円を寄付するチャリティ企画を開始、その銀座では今年も鐘の音に合わせあの時刻に一斉に黙祷をする人々の姿が見られ千代田区の国立劇場では政府主催の追悼式が開かれた。

今朝のニュースでも復興関連特集など組まれていたが、巨額の政府予算投入で被災地のインフラ整備はや住宅再建は一定のメドがついたものの一部地域で人口減少に歯止めがかからないなど官製復興の限界も感じる。政府の復興・創生期間が終わる2020年度末まで残り2年、永続的支援やコミュニティーの再構築などまだ課題は多い。


チョコは甘いか苦いか

本日の日経紙・真相深層では「オリオン薄氷の買収劇」と題して、外資ファンド入りして現在TOBの真っ最中の地方企業を巡る苦悩が載っていたが、M&Aといえば同じく同紙金融経済面のM&Aプロファイルにもゴディバの日本事業を巡るファンド勢の買収劇が載っていた。

ゴディバといえば昨年のバレンタインデーに義理チョコはもうやめようとの意見広告を出していたのが記憶に新しいが、今年は「ホワイトデーは、ありがとうを贈る日。」と題した全面広告がちょうどこの日の日経紙には載っていたが、それは兎も角も身売りの背景にはトルコリラの急落による債務圧縮などいろいろ事情がありそうだ。

ココに1,000億円以上を投じ買収したのがMBKパートナーズだが、かつてのアコーディア・ゴルフの買収が記憶に新しい。高級チョコマーケットは飽和感から成長余地は乏しいといわれているものの、かつてのコメダ投資の経験を生かしブランドのカフェ業態の出店拡大を狙うという。冒頭のオリオンにしろこのゴディバにしてもいずれも目標とするのはIPOということになるが、両者今後のお手並み拝見というところか。


ブランド化と保護

さて、先週は「返り咲いたコシヒカリ」と題し発熱しているブランド米の構図を取り上げたが、昨年末に米国を除く11カ国からなるTPP11(環太平洋経済連携協定)が発効されこれまで以上に安価な輸入牛肉が流入する事への警戒感を背景に牛肉の世界も一部上場大手や全農等を中心にしてブランド化の動きが相次いでいる。

実際のところ先月末に財務省が発表した貿易統計では品目別で牛肉輸入量は前年同月の1.5倍となり生産者のブランディングも益々課題になってくるだろうが、最近では並行して和牛の遺伝資源が所定の輸出検査をしないで海外に流出しそこでの生産に繋がっているケースが発覚し問題になっている。

この肉に限らず、例えば平昌五輪で活躍したカーリング女子のもぐもぐタイムで物議を醸し出した「流出苺」やら他にシャインマスカットなども問題になった事があるが、フルーツ等含めた農業の分野は知的財産が多く大切に創造した日本ブランドの海外流出は日本の輸出機会の脅威になり得る事でその対策も今後の課題だろうか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2024

11

1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30