194ページ目   雑記

香香熱

さて、いよいよ明日から上野動物園で今年6月に誕生したジャイアントパンダの子ども香香(シャンシャン)の一般公開が始まる。当のシャンシャンはこれまで多くの来園者に慣れさせる訓練を繰り返してきたが、職員も誘導訓練からテロ対策までその準備が最終段階となっており、周辺施設もパンダ関連グッズを数多取り揃えパンダ一色となっている。

まるで45年前のカンカンとランランの初来日を彷彿させるような熱気だが、今回の一般公開は1日400組という事前抽選制となっており実に最大で144倍の当選倍率との報が為されているがこうした抽選制はこれが初という。斯様な来園客数増加で園内の文化施設はもとより周辺施設にも経済効果の期待がかかる。

周辺施設といえば株式市場ではジャスダック上場の上野恩賜公園の老舗西洋料理「精養軒」などはこれまで赤ちゃんパンダに関して肩透かし交え何度となく反応してきたが、この明日公開決定発表の報では年明けの700円台から3倍超に大化けし2,000円の大台を突破するなど実に約21年2か月ぶり高値水準を示現、他に東天紅も然りだが今後もこれらと併せその経済効果にも今後は注目して行きたい。


早耳行政処分

さて、本日の日経紙社会面には「岩井コスモ証券不適切な勧誘」と題し、リポート公表前に株価が上昇する可能性が高いとして営業担当が顧客に説明し複数銘柄を勧誘していたとして証券取引等監視委員会が岩井コスモ証券に対し行政処分を出すよう金融庁に勧告した旨の記事があった。

これと似たようなケースで思い出されるのが、上場企業が公表前の決算情報を自社の営業担当に伝えて顧客を勧誘していたとしたとして行政処分勧告を受けた昨年のクレディスイス証券の一件か。これが原因なのかどうか、果たしてその後年2回のアナリストによる業績プレビュー活動も自粛となった経緯があった。

この前には他の外資系も同様にアナリストが営業担当に公表前の重要情報を提供し顧客の勧誘に使っていたとして行政処分勧告を受けた一件があったが、そういった経緯を鑑み昨年から決算前の企業取材を自粛するような動きも出ていた。早耳情報は何よりの餌だった証券営業だったがこんな従来の情報格差も今や昔という光景になって来た感がある。


顧客本位運営の是非

本日の日経紙金融経済面には「金融商品販売、顧客本位に」と題し、地域金融機関向けに商品選びの仕組みなどを評価・支援する会社を新設したり、金融機関の取り組みを格付けするサービスを始めたりする動きが出るなど金融商品への顧客満足度を高めるためのビジネスが広がって来た旨の記事があった。

背景には金融庁が充実した情報提供など顧客に寄り添う販売体制を求めている事があるようだが、先に日本証券アナリスト協会主催で開催された国際セミナーでも金融庁長官は投信など商品開発・販売両面で見直すべき事例を挙げて講演していた経緯があり、並行して大手行系列も資産運用業務の営業改革に乗り出す動きが出てきていた。

融資での利鞘稼ぎが困難になり投信等の販売手数料へしばしば活路を見出してきた銀行も、金融ビックバンを隠れ蓑にしかつてノルマ証券並みに行員も理解出来ない複数建ての複雑なデリバティブ商品を挙って高齢者に売りまくっていた時期があったものだが、漸く襟を正し長期運用を見据えた資産形成啓蒙に向けた動きが具体化して来るようになったか。


ビットコイン先物上場

さて、先月の上旬に当欄では「動き始めた大手」と題しCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)やCBOE(シカゴ・オプション取引所)がビットコイン先物の上場計画を発表した旨を書いていたが、あれから約一ヵ月本日の日経紙夕刊一面には10日夕に米CBOEがビットコイン先物取引を始めた旨が出ていた。

果たして期近の18年1月限は15,460ドルでのスタートとなったが、それから限物価格を超える場面もありサーキットブレイカーの2度の発動も交え18,000ドル超までの値上がりを見せることとなった。原資産も今月1日の約113万円から8日までのわずか一週間で約8割近くの急騰をみせたが、この辺はやはり先物への思惑に因るところが大きかっただろうか。

鳴り物入りのデビューとなったが複数のオンライン証券は直ちに先物は取り扱わない方針で、大手銀行もゴールドマン・サックスは一部ビットコイン先物顧客の清算に応じる計画を明らかにしているものの、JPモルガン・チェ−スやシティグループは直ちに応じない方針という。

世界各国でこれを扱う取引所の規制や監視体制等も足並みが統一されておらず、清算機関やセキュリティーリスクの問題もネックになっているのだろうが、上記の通りCBOEに続いて18日にはCMEも先物を上場する予定となっており、引き続き価格推移や関連銘柄からかつて見送りとなったETFまで幅広く今後の推移が注目される。


破綻でも満額以上?

さて、連日ビットコイン関連の報が喧しいが、昨日の取引でその価格ははや14,000ドルを突破、11月初旬から1カ月強で実に2倍強と大化けし、今月の上昇率だけでもはや40%を超えるという破竹の勢いである。そんな中を一週間ほど前に2014年に破綻して世間をザワつかせた仮想通貨取引所マウントゴックスの一部債権者が、1日までに東京地裁に民事再生手続きへの変更を申し立てたという旨の報があった。

即ち上記の通り鉄火場と化したビットコインが急騰している事で、同社に残るビットコインの資産価値を考慮した場合破綻当時の時価で債権者への返還額を決めてしまう破産手続きよりも、民事再生に変更した上でビットコインによる受け取りを債権者が選択した方が利益も大きくなり、なにより残余財産が社長へ流れるというのは到底承服出来ないという理屈だ。

相場変動によって訴訟のシナリオが変った例として思い出すのが、これとは異質だが数年前に起きた関西の某市が基金運用の為に為替相場に連動した仕組み債購入の事件か。購入後に相場が逆にいった事でリスク説明不十分とした訴訟を起こすほど評価損が膨らんだものの、その後のアベノミクス効果でこれが一気に解消したことから一転して訴訟を取り下げた一件であった。

ともあれ単純に弾いた計算で、当初は債権総額約456億円に対して約120億円程度しかなかったものが、今月アタマの段階で分裂によるビットコインキャッシュ付与含め約2,500億円超にまで倍々計算で化けている夢のような状況になっているワケで債権者としては毎日気が気ではないだろう。後は裁判所がどう判断するかという事になるが、債権者のみならずこの事例の帰趨がどうなるのか今後の行方が非常に注目される。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2024

11

1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30