204ページ目   雑記

IPOならぬICO

昨日は4,000ドルを超えた仮想通貨ビットコインについて触れたが、昨日の日経紙には「仮想コインで資金調達急造」と題して、企業が株ではなく独自の仮想コインを新規発行して個人投資家など買い手を募るICO(イニシャル・コイン・オファリング)と呼ぶ資金調達が欧米アジアで急増している旨が載っていた。

ICOで発行するコインに価値を持たせる仕組みは発行企業によって千差万別だが、SECなどは先月に同コインは条件によっては有価証券に該当し投資家保護を念頭に規制対象にすると宣言、シンガポール中央銀行もこれに続いて同様の声明を発表している模様だ。

このICOに関してはテックビューロ社がブロックチェーンの新プラットフォームであるCOMSAの開発にあたり10月2日からICOが行われる予定。このテックビューロは非上場ながら、COMSAを使ったICOとしては東証二部に上場しているプレミアムウォーターホールディングスもこの後に上場企業初のIOCを実施する予定となっている。

これを好感して同社株は今月の上旬には二日連続のストップ高を演じて年初来高値を更新していたが、斯様な資金調達も相場に影響を与えるに充分な材料となり得るのを証明した格好になっている。


有事の受け皿の幅

先週からまたぞろ挑発合戦が繰り広げられる展開になっている米朝関係の緊迫化を嫌気して連休明け本日の日経平均は大幅に4日続落となったが、為替の方もCFTCの円の売り持ち高が約2年ぶりとなるなか、安全資産とされる円がNY市場では一時108円台まで大幅高する場面もあった。

ところでこうしたリスク回避による資金逃避の受け皿になっているのは何も上記の円に限った事ではなくビットコインもまた然り、つい先月には処理改善策を巡る対立による分裂騒動が嫌気され一時は2,000ドル台割れまで売られたビットコインであったが、昨日未明には初めて遂に4,000ドルの大台を超えてきている。

投資家層の広がりを考慮すれば今や時価総額も600億ドルを突破してきているこの市場に株式や債券等から有事の代替資産として資金が流入してくるのも頷けるが、有事に反応する定番の金でさえ上昇したといはいえ約5%そこそこ、一方のビットコインは100%ともはや先の価格逆転の話題が遠い昔のようにも思えてくる。


AI考

本日の日経紙には「AI普及仕事どうなる」と題して、2045年にはAIが人間の能力を超えるとされる「シンギュラリティ」が起きると言われるほか、人間の仕事の多くがAIに奪われるとの予測も出ているなか、将来人間との関係はどうなっているのか拡張人間というテーマに取り組む東京大学教授へのインタビューが載っていた。

文中には話題性があっただけにアルファ碁なども出てきたが、これは他とは一寸毛色を異にすると思うものの、実際に金融分野等ではAIによるビッグデータ解析等で決算結果と予想値乖離をアナリスト以上に高精度で絞り込むモデルも開発されアナリストカバーの無い中小型銘柄リポートもAIに投げられ、医療画像解析技術や自動運転技術にしてもほぼほぼ指呼の間だ。

こうなるとやはり多くの仕事が奪われてしまうという懸念はもっともなところだが、上記の東大教授の他にAIに関してはMITの教授も人間の創造性と欲望という二つの原理がかかわりAI発達でも仕事は無くならないとしている。氏の見解はAIの本領である知識や暗記など従前のテストで測り出世させてきたこれまでの体制を根本的に見直し創造性豊かな人間を如何に創るのが重要かを改めて考えさせられるところである。


大都市の憂鬱

さて本日はふるさと納税感謝祭の案内が来ていたが、このふるさと納税といえば先週末の日経紙には「ふるさと納税846億円減収」と題し、直近で総務省が発表した調査結果で2017年度の首都圏1都3県では減収額が16年度比8割増の846億円に達し、全国の減収総額に占める割合は5割近くに上った旨が載っていた。

ポストには自治体から立派なカタログが時折届くように活況を呈するふるさと納税ではあるが、その陰では財源の流出に歯止めがかからない自治体の苦悩は続いている。そんな事を憂いてか総務省は所謂三割規制なるおふれを出したワケだが、その影響で駆け込み需要から3月下旬にはふるさとチョイス利用者が去年の1.8倍になったという。

そういった反動でこれまで上位ランクの常連だった自治体の一部では寄付額激減という憂き目に遭っているようだが、好調な返礼品の受注で設備投資や雇用を増やしてきた関連企業こそこうした返礼品激減で心中穏やかではないだろう。また総務省の一括りの通達から自治体の対応も大きく二分されてきているのが現状で全体の均衡化にはまだ紆余曲折がありそうだ。


BBC登場

さて月が替わってからは新聞等何所もビットコインの分裂に関するニュースが喧しい。1日の取引停止に先駆けて前倒しで入出金停止措置を取る企業もあり再開から再度の停止など各社の警戒感が依然燻る展開であったが、2日未明にビットコインは分裂し新通貨であるビットコインキャッシュが誕生の運びとなった。

国内各取引所としてはビットコインの保有量に合せて原則利用者にこのBBCを無償で付与するということになったようだが、実際のところ現在は黎明期でリアルな現場の方はまだまだ利用実績自体がほとんど無い事もあって、こんなドタバタ劇が起きても特に話題になるような現場の混乱は無かったようだ。

斯様にこの分裂で2つの規格が併存という事になり、情報収集に奔走していた上場企業の関連各社や各取引所は順次ビットコインの入出金を再開予定という事で騒動は収束か否かというところだが、民主的仕組みの善し悪しが色濃く出るだけに今後も承認手法等を巡り騒動再燃の恐れも燻り続けるか。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

カテゴリー

アーカイブ

2024

11

1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30