207ページ目   雑記

忖度営業時代

週明けの当欄では資金の好循環が続くとした日経平均だが、果たして本日も続伸しバブル期の1988年2月10日以来29年8ヵ月ぶりの13日続伸を記録して年初来高値更新となったが、今月の日経紙「私の履歴書」ではちょうどそんなバブル期を駆け抜けた激動の証券界の様子を野村證券元副社長で前日本取引所グループCEOの斉藤惇氏が綴っている。

今月上旬には朝一番に仕入れと称して纏まった買いを入れそれを顧客に嵌めて、いや勧めてゆく営業の様子等を書いていたが、こうした所謂「仕切り」等の営業手法など当時は毎朝見る至極当たり前の光景であった。また週明け16日付けでも日経紙一面に載った損失補てん先リストを久しぶりに見たが何とも懐かしかった。

懐かしいと言えば営業特金という言葉もそうであったし、総会屋親族企業との一任勘定取引など一つ一つ鮮明に記憶が思い起こされる。そういえば「忖度」などという言葉が最近首相の森友学園や加計学園の問題でにわかに多用されるようになったが、大田淵・小田淵時代の証券界などまさにこの忖度が必要悪で機能し上記のような損失補償全盛期であった感がある。

廻り回って胴元の日本取引所グループCEOまで務めた斉藤氏だが、その取引所も当時の場立が犇めき合い大商い時にフエ吹が景気よく鳴り響いたフロアが、今やコンピューターシステム化を経て静寂の中にクルクルと廻る株価表示の速度で商いを測る光景に変わり果てた。二つのコードも発動されSECの監視体制も進化し証券界の水も頗る清さになったものだが、水清くしてナントカと当時のギラギラした貪欲の時代を懐古する業界人は少なくない。


規制の抜け穴と課題

本日の日経紙社会面には「仮想通貨業者 強制調査へ」と題し、ビットコイン・イーサリアムに次ぐ仮想通貨の一つであるリップルの取引を巡り顧客から現金を騙し取ったとしてこの関連会社代表を警視庁サイバー犯罪対策課が詐欺容疑で逮捕した旨が載っていた。

このリップルといえば今年の夏に一度取り上げた事があったが、春先に1円にも満たなかったものが約2か月後には50倍にも化けた経緯がある。現在は25円絡みの動きとなっているが良くも悪くも誘い水としてツールになり易い側面があっただけにマウントゴックス以来の仮想通貨絡みの詐欺事件となった。

先週から入ってきている直近の金融犯罪の報としては、他にマザーズ上場のインターネット通販企業、ストリーム株の「買い上がり」や「仮装売買」等の相場操縦で関係者を逮捕した件もあったが、近年のテクノロジーの進化と共にこうした従前の金融犯罪と並行し今後上記のような金融商品取引法でカバーされていないカテゴリーの事件も増加してくるのは想像に難くないか。


アニマルフリーの波

さて先週は高級ブランド群の好調な決算が目立ち、フランスの高級ブランドLVHM(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の第3・四半期決算は市場予想を上回る内容となり10日の株価は2.6%上昇、同クリスチャン・ディオールは1.7%高、グッチやサンローランが上半期を牽引したケリングも2.2%高と何れも堅調であった。

ところでこのグッチといえば動物保護団体から毛皮使用の反対運動が高まっている事や、消費者の環境意識の高まりに対応し2018年の春夏コレクションから製品に動物の毛皮を使用しない事を決めた旨が先週末の日経紙に出ていた。こうしたアニマルフリーの動きは同じくイタリアのアルマーニも、昨年全ブランドにおいて毛皮の使用をグッチに先駆けて禁止した経緯がある。

グッチにしてもアルマーニにしても一頃はミンクからラビットまで幅広い素材を駆使した斬新なコレクションが売りにしてきたが、ケリングといえばファーフリーの先駆者ステラ・マッカートニーも擁している事でこの辺の整合性もあろうが、近年ではSRIいわゆる社会的責任投資も旬になっており経営陣も業績好調の折こうした世論に迎合する動きも視野に入れてきているという事か。


不正錬金?

今週は連休明け10日の朝鮮労働党創建記念日に北朝鮮による軍事的挑発行為が懸念されていたが結局は大山鳴動して鼠一匹、今のところ何ごとも怒らず杞憂に終わりその安心感も下支えになり日経平均は連日でアベノミクス相場の高値を更新、為替市場も安定した状況になっている。

この北朝鮮情勢と為替市場の関係については先週末の日経紙でも「北朝鮮緊張で円高なぜ?」と題し、同国を巡る情勢が緊張すると円高が進み易く市場参加者が身構える旨が書かれていたが、この辺に絡んでは同国がミサイル発射などリスクイベントのタイミングでFXやコモディティーの取引を同時に行っているという実しやかな噂も出ている。

まるで米国同時多発テロの時のテロ組織による株式市場や商品市場を介した錬金術を彷彿させるものだが、仮想通貨の方でも直近では複数の米国企業が北朝鮮による仮想通貨を狙ったサイバー攻撃やマイニング等が今春以降に韓国や中国で発生しているのも確認されている。

折しも中国は今月末に仮想通貨取引所全面閉鎖措置を明言するなど仮想通貨に対する規制が直近で非常に厳しくなり、韓国も規制論が一部で台頭している。これらが経済制裁に喘ぐ中で何とか外貨獲得の為に不正で活路を見出す北朝鮮に対する新たな防御の一環なのか否かだが、今後SEC等も何らかの形で追随してくるのかどうかこの辺の各国の動向も注目される。


ノーベル賞2017

今年もノーベル賞の発表時期到来といった感じだがテーマに餓えるマーケットもはや関連物色たけなわで、本日の日経紙でも「ノーベル賞関連銘柄に思惑買い」と題し2日発表の生理学・医学賞、3日発表の物理学賞、4日発表の化学賞等を囃して関連銘柄のIHI、日本コークス工業、小野薬品やカルナバイオサイエンス等への思惑買いが書かれていた。

昨年はオートファジーに沸き3年連続の日本人受賞となったこのノーベル賞であったが、昨年に続き4連覇なるかどうかというところで、上記の日経紙に載った銘柄以外でもその枝葉から市場を問わず突飛高している銘柄が既に先月から確認されているが、毎年これらの関連銘柄もその範囲が一段と拡大されている。

また、昨年大方の予想を裏切り?米のボブ・ディラン氏が受賞した文学賞はかれこれ今年こそ村上春樹氏と10年近くも言われ続けて来たが、こちらも恒例行事のようにマーケットでは文教堂HDや丸善HDを先回り物色する向きも居る。世界最大規模の英ブックメーカーで同氏は現在2番人気らしいが、はたして誰が選ばれるか一先ず5日の発表が待たれる。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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