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官製ETF

本日の日経紙・エコノフォーカスには「円・株 弱〜い連動」と題して、これまで約10年の間足並みを揃えるように動いてきた円相場と株価の連動がにわかに弱まってきている旨が載っていた。これを生み出した要因としてやはり需給面から日銀によるETF買いも挙げられていた。

周知の通り日銀は昨年夏にETFの購入額を約2倍の年間6兆円へと増額させ、株安の要所要所で買い入れ支えてきた経緯があるがこの辺から相関性が薄れてきたのは否めないところ。同時にこの辺から日銀トレードなるモノも横行し、日銀保有比率が高い銘柄群も公表されるようになってきたが企業統治の絡みでもいろいろと物議を醸し出している。

また高寄与度銘柄の浮動玉の吸い上げはリクイディティーにも変化をもたらし、更に上記の日銀トレードに絡み短期筋の裁定が更にNT倍率の歪みにも拍車をかける等々弊害も表面化してきた。今後も保有比率の高まりは想像に難くないが、金融緩和のイグジットを見据えた場合売却等どういった着地にもってゆくのかこの辺はまだ未知数である。


ビックリ十大予想・2017

さて年が明けると一昨日に当欄で取り上げた日経紙の「経営者が占う今年」の特集と共に米投資会社のバイロンウィーン氏の「十大予想」も一部で話題になる。当欄でも2014年と2015年の年初に取り上げた事があったが、自称的中確立50%とはいうものの昨年は無難なところが幾つか当たったといったところであった。

というワケで今年はザッとしたところで円が1ドル130円に、ポンドは1.10ドルへ下落、人民元は1ドル8元に下落、WTIは大部分の間60ドル割れの水準で推移、S&P日500種は12%高、日本の実質成長率は数十年ぶりに2%を超え日本は年間の株価上昇で他の先進国をリード、そして欧州にポピュリズムの広がりとも触れている。

前にも書いたが、大方のアナリスト等という輩はある程度のレンジを移動平均に絡めたような横並びの無難予想を謳うが、一方でビックリ予想というのは可也乖離した設定にするだけに当たった時の話題性があるというもの。

昨年は前述のようにブレグジットやトランプ候補の勝利などビッグイベントにおいて番狂わせが続出し、氏もポピュリズムの広がりを予測している通り今後もこれが世界を席巻し常識崩壊の傾向が続くとなれば乖離した設定部分に抵触する率も高くなり、ビックリ予想も次第にそのビックリ度合いの新鮮味が薄れる傾向になってくるかもしれない。


6年連続

さて昨日は東証大発会にも一寸触れたが、本日はもう一つ同じ中央区から恒例のマグロの初セリが行われた。マグロの初セリといえばもう「すしざんまい」の喜代村が代名詞のような存在になっているが、果たしてというか今年も同社が競り合いの結果一匹7,420万円で競り落とす結果となった。

あの幻の1億円超えの最高値から数年は続落歩調を辿り昨年は反発といった感じであったが今年は大幅続伸、上記の1億円超えに次ぐ2番目の高値が付いた。その理由として今年は回転ずしチェーンの元気寿司が参加を表明し、また「築地すし好」も参戦し共に競り合った背景があったのは間違いのないところだろうが何れにしてもPR効果は依然として健在か。

他にも大幅続伸の材料として入荷が絞られてきている事情も指摘されていたが、これ以外は割安となるなどマクロでは消費落ち込みが浮き彫りになったかっこうか。しかし昨年の同時期には当欄で「〜この初セリも今年の豊洲移転に絡んで見納め〜」と書いたものの、結局今年もまたこの地で初セリが行われる事になり各所も様々な想いでこれに臨んだのは想像に難くないか。


酉騒ぐ

皆様あけましておめでとうございます

昨年は申年で騒ぐの相場格言通りまさかの番狂わせが相次ぐなどまさにその通りとなったが、今年は酉。戦後の東証年間騰落率は平均で15%の上昇、干支別では5番目となっており平均以上の上昇が期待できるとはいうものの、兜町の相場格言では昨年の申と共に「騒ぐ」年とされており番狂わせの乱高下は継続される気配も濃厚か。

という事で本年最初の取引となる大発会は海外株高や円安を映して4営業日ぶりに急反発となったが、年末の大納会で帳入れした株価は乱高下の末に5年連続の上昇、年末株価としては96年以来20年ぶりの高さとなった。ちなみに5年連続の上昇は1978〜1989年の12年連続以来となり、バブル後の相場では最長記録となる。

また東証一部の時価総額は前年比で14兆円減ったとはいえ571兆円と過去3番目の高水準となっており、個別では独自の事業モデルと攻めの経営で稼ぐソフトバンクの増加額がやはり目立った。一方で昨年の大発会は東芝問題発覚を取り上げたが、今年の大発会もまだ東芝が物議を醸すスタートとなるなど今年もコーポレートガバナンスに絡むこの辺は注目されようか。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます


申騒いだ

さて、今週で今年も終わるとなると彼方此方の分野で2017年の展望が出てくるが、差し詰め相場関係等は様々な見方で喧しい。申酉騒ぐの通り今年はイベントの度に大荒れの相場となったが、ヘタに腕に覚えのある輩ほど振らされる光景を彼方此方で目にした一年であった。

記憶に新しいイベントでは、6月のイギリスのEU離脱の是非につき行われた国民投票結果がまさかの離脱決定となり、後半戦では米大統領選にて半ば冗談半分に泡沫候補的に報じられていたトランプ氏が大方の予想を覆してとうとう当選してしまうなど改めて番狂わせだらけの一年であった。

後講釈で反省してみればマスコミの煽りで常識にとらわれ過ぎた評論家を過信し、潜在意識の総論に気付かなかった部分もあっただろが、あらゆるイベントで百戦錬磨のブックメーカー等も被害者?に転落し、昨今その活用が喧伝されているビッグデータも二者択一を大外しする様を見るまだまだ発展途上を肌で感じる。

というワケで表面化しているコンセンサスを、無意識が影響を与えた潜在意識の総論が結果として番狂わせで裏切るケースは今後もまだまだ様々なケースで起きるであろうし、そのコアな部分にどれだけ解析が近づけるかが課題となろうか。

今年はこれで筆を置きたいと思いますが、本年もご愛読ありがとうございました。
来年が皆様にとって、よい年でありますように。


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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