221ページ目   雑記

西の戦略

さて、今週末はクリスマスというだけあって先週あたりから彼方此方でホリデーギフトの広告が目に付くが、特に高島屋のラグジュアリー路線が目に付く。過日の日経紙に「ギャラクシーダイヤモンド」なるブランドの半五段広告を見掛けたが、その前には時計の品揃えが国内最大級と謳った難波高島屋にオープンした「タカシマヤウオッッチメゾン」も一際目に付いた。

そういえばこの日のWBSでも消費低迷でも高級品続々としてこれらを取り上げていたが、阪急うめだ本店も9月に高級ドレスの専門店をオープン、VIPルームも備えトータルコーディネートの提案販売を狙うといい、また大丸松坂屋も京都・祇園に店をオープンし伝統的な町家を改装してエルメスを誘致している旨が放映されていた。

元々百貨店は呉服商から始まり富裕層を相手にしていた業界のカラーでこの手は取り込みやすいという旨で、此処では東京に取られていた富裕層を取り戻したい考えを謳っていたが、斯様に先ず西日本全域の富裕層を取り込む戦略の次に中間層をどう開拓するかが今後の課題となってくるだろうか。


またも金!

さてちょうど一週間前の当欄では「2016年の流行」と題し、末尾では世相モノで残すのは今年の漢字のみとしていたが、今年で22回目を迎え今週アタマに発表になった今年の漢字は果たして「金」となり、それ以降2位は「選」、3位が「変」と続いた。

その理由としてめでたい方ではリオデジャネイロ五輪の日本人選手の金メダルラッシュやイチロー選手の金字塔、また逆に情けない方では前東京都知事の政治とカネの問題、他にはトランプ次期米大統領の金髪からピコ太郎の金の衣装等々が挙げられたが、「金」が1位に選ばれたのは2000年、そして2012年に次いで今回で3度目である。

この前回もそれぞれシドニー五輪、ロンドン五輪での過去最高のメダルラッシュ等があってこの金になった背景があるが、早くも東京五輪を見据えて首相は2020年も金にしたいとのコメントを発信、想いは夫々だが良い背景での複数回選出といった感じに繋げたいものである。


またも日本版○○?

さて、先週水曜日の当欄では「消費喚起」としてサイバーマンデーやブラックフライデーを取り上げたが、本日の日経紙経済面には「月末金曜は3時帰り」と題して、経産省と経団連や小売等の業界団体が個人消費を喚起するため、毎月末の金曜日を「プレミアムフライデー」と称する取り組みを来年2月24日から始める旨が載っていた。

サイバーマンデーやブラックフライデーは一段のセールだが、このプレミアムの方は上質なイベントに誘致する点でデフレの助長にも抵触しない点が特徴という。またこの日には午後3時に仕事を終えて、買い物や食事に出掛けてもらう事で低迷を続ける個人消費を盛り上げる狙いとし、長時間労働の是正など働き方改革にもつなげる考えという。

とはいえこの辺の勤務形態に関わる部分など当然企業側の理解を得る事が前提、また前回の末尾にも「消費構造の変化を把握しなければ米国に倣った消費喚起も名前負けになってしまうか。」と書いたが、消費増税以降低迷する根本を把握しないとブラックだろうがプレミアムだろうが、青写真に描いている金曜日は遠いのではないか?


ふるさと納税狂想曲

さて、先週末の日経紙夕刊一面には「ふるさと納税 潤い第2幕」と題して、ふるさと納税をした人に自治体が送る返礼品に絡んで、地元の生産者や加工業者の認知度が上がりそれに比例してリピーターの数も上がって彼らを潤している旨が書いてあった。

このふるさと納税といえば各種HPも続々立ち上がりその内容も煩雑な物になってきている感もあるが、それだけ各自治体がお得感を競った返礼品で続々と名乗りを上げてきている証左だろう。そんな事から個別自治体では前年度の数十倍に膨らむところも続出、夏場には総務省試算で昨年度に全国自治体が受け入れた寄付額も前年度3倍強に膨らむ見通しが報じられていた。

ところでまだ規制の手も緩かった頃は返礼品を金券にした自治体がこの効果で税収が40倍になった旨や、似たような換金性の高いモノでは純金製の手裏剣を出したところもあり早速これに某著名個人投資家が1,500万円の寄付を行った旨が報じられた事もあったが総務省の睨みを気にして早々に終了した経緯があった。

斯様に資産性の高い物に関しては総務省の勧告もあって今では自粛ムードだが、近年上記の宴のような増収を弾き出す裏では都市部等の税収減の深刻さも看過出来ないレベルとも謳われている。冒頭のような一定の相乗効果も出てきているものの創設から8年、下剋上の格差はますます拍車がかかりそうだ。


2016年の流行?

さて、「ぐるなび総研」が発表する016年の世相を最も映した料理である「今年の一皿」にパクチー料理が今週選ばれた。同社は脇役の野菜に光が当たったとしているが、ここ数年はこれを主体にしたレストランが登場したり、有名ビストロも挙ってメニューに取り入れる動きが出ていたのでその素地は十分にあったのだろう。

世相反映といえばもう一つ、今月アタマにはその年に話題になった言葉から選出される「ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞とトップ10が発表されたが、大賞には周知の通り「神ってる」が選ばれた。トップ入りしたのは他に後半一気に火が付いた「PPAP」、「マイナス金利」や「ゲス不倫」等々成る程といった言葉がズラリと並んだ。

そういえば本日の週間文春ではテレ朝の朝の顔ともいえる女性アナウンサーが共演する男性アナとの不倫を暴かれていたが、特に「不倫」はキーワード連鎖のジンクス通り次から次へとイメージと真逆のケースからある程度予想出来た範囲のケースまで数多暴かれ、世の紳士諸君もご婦人方から色眼鏡で見られるトバッチリを受けた向きも多いだろうがまあこれが現実というか実態だろう。

ともあれこれで今年の世相モノで残すのは「今年の漢字」のみ。日本株相場を表す今年の漢字は一足先にスパークス・アセット・マネジメントが「乱」と発表しているが、さてどんなものが今年は選ばれるのだろうか?


クラウディア

大学卒業後、大手取引員法人部から大手証券事業法人部まで渡り歩き、その後に投資助言関連会社も設立運営。複数の筋にもネットワークを持ち表も裏も間近に見てきた経験で、証券から商品その他までジャンルを問わない助言業務に携わり今に至る。

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